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自粛ムードはなくなったようだが……(写真:PIXTA)

 新型コロナウイルスがもたらした新たなタイプの危機は、世界の経済を揺さぶり続けている。経済活動に対して「急ブレーキ」になるロックダウン(都市封鎖)や緊急事態宣言の再発動には各国政府は否定的だが、ウイルスとの闘いが長期戦になる覚悟を国民に説いた上で、「新常態」への適応を促している。多くの企業が置かれた立場は苦しい。企業の売り上げ・収益は急激に悪化し、売上高経常利益率は宿泊・飲食業などでマイナスに転落した。

 財務省から9月1日に発表された2020年4~6月期の法人企業統計調査は、そうした厳しい実態を、数字ではっきり示す内容になった。売上高(金融業・保険業を除く全産業、以下同じ)は前年同期比マイナス17.7%(4四半期連続マイナス)、経常利益は同マイナス46.6%(5四半期連続マイナス)。

 日本の景気は18年10月に山をつけて後退局面入りしたわけだが、そこに「コロナショック」が追い打ちをかけた。経常利益を、季節的な振れを均した季節調整値でも見ておくと、4~6月期は10兆7796億円(前期比マイナス29.7%)。11年4~6月期以来の低い水準で、直近ピークの半分未満である<図1>。

■図1:経常利益(季節調整値、金融業・保険業を除く全産業)
(出所)財務省

 同じ統計で売上高経常利益率を見ると、4~6月期は4.4%(前期比マイナス0.2ポイント)。売上高と経常利益の双方が落ち込んだことから、この比率はさほど悪化していない。日本企業全体については、コロナ禍が収束して売上高さえ戻ってくれば、それに連動して経常利益の水準も戻るはずだから、我慢していれば大丈夫だと考えがちである。

より立場が苦しい中堅・中小企業

 しかし、細かく見ると、大企業と比べて中堅・中小企業が置かれた立場が非常に苦しいことが浮かび上がる。売上高経常利益率を資本金規模の別に見ると、「10億円以上」が8.7%であるのに対し、「1億円~10億円」が1.9%、「1000万円~1億円」が1.1%。大企業と中堅・中小企業ではかなりの差がある。

 1年前(19年4~6月期)はそれぞれ10.3%、4.0%、4.4%だったので、その当時からの悪化幅は中堅・中小企業の方が大きい。人口減・少子高齢化ゆえに長期的に縮小方向にある国内需要の枠を超えて「外」の需要を取り込める度合いや、雇用・賃金面を含むリストラによってコストの節減が可能な度合いの大小が関係していると推測できる。