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 そう考えてくると、例えば環境への配慮から消費の現場で「食品ロス」をなくそうとする動きが近年日本でも出てきていることは、たとえ微細に経済成長を抑制する効果を伴うとしても、前向きな話である。食品の賞味期限の表示を見直す動きがあるほか、クリスマスケーキや恵方巻きを予約制に変えるコンビニエンスストアが出てきている。

出遅れる日本

 AFP通信などによれば、米国発で世界中に広がってきた「ブラックフライデー」の販促キャンペーンに対し、過剰な消費や資源の浪費をあおって環境に悪影響を及ぼすといった批判が出ているとのことで、フランスの議会ではブラックフライデーを禁じる立法の動きさえあるという。

 古い常識やその背後にある価値観には沿わない、そうした新しい動きが、2020年代にはさらに積み重なっていくのだろう。

 そして、トランプ政権の米国が気候変動問題への対応に背を向けているため、当面のリーダー役になるのはすでに触れた通り、欧州である。ドイツのメルケル首相は新年に向けた演説で、将来の世代が平和で豊かに暮らせるよう、全力で気候変動対策に取り組んでいると強調。「世界的な温暖化は現実に起きており、脅威をもたらすものだ」と指摘し、温暖化がもたらす問題はすべて人間により引き起こされているため「人類の課題克服に向け、人間に可能なすべての措置を講じなければならない」と訴えた。

 1月1日には隣のオーストリアで、緑の党が初めて連立政権入りすることが決まった。スウェーデンやフィンランドに続く動きである。出遅れている日本では今後、どのような政策展開があるのだろうか。