記者会見ではこの点について、次の質問があった(経済財政諮問会議HPから引用)。

 「今の関連で、キャッシュレス決済が6月、ポイント還元が6月末で終わります。10月から始まるマイナポイントの制度を1カ月前倒しすると、9月からというイメージでよろしいでしょうか。そうすると、7、8月と間が空いてしまいますが、これは切れ目なくということで言えば、この2カ月はどのようにお考えになりますでしょうか」

 もっともな疑問である。これに対する西村大臣の返答は以下のようなものだった。

マイナポイントで「穴埋め」

 「もともとの発想では、7月24日にオリンピックがスタートし、パラリンピックの終了が9月6日であり、この間はインバウンドの方々も相当、日本に来られ、また、オリンピック開始前からキャンプを張られたりもありますので、7、8月は相当な方が日本に来られるということもあって、その間は一定の消費が見込まれるだろうという発想がそもそもあり、現在のマイナポイントの開始予定の10月では、9月の1カ月間が空くということもあって、前倒しができないかという検討を今しているところであります。もちろん、他に何か消費全体の下支えをする方法がないのかということで、今、各省で検討してくれておりますので、各省からのいろんなアイデア、そうした対応の検討状況をよく聞いてみたいと思ってます」

 7月と8月については訪日外国人の増加などによる「オリンピック・パラリンピック景気」が期待できるからおそらく景気は大丈夫で、あとは9月をなんとかすれば足りるのではないかというのが、政府側の考え方の基本線であることがわかる。

 景気・経済対策に関するこうしたやりとりを読んで嘆息してしまうのは、筆者だけだろうか。日本経済は個人消費に取り付ける「補助輪」が常になければ前に進まなくなって倒れてしまうといった風情である。

 そもそも論を言うと、ポイント還元など政府の消費刺激策の効果は、消費者に需要の先食い(あるいは支出するタイミングのずれ)を促す部分がほとんどである。したがって、どこかで先食いの反動や刺激効果の息切れが生じるのは、避けられないことである。そうしたことによる景気の「断層」を絶対に避けようとして政府が無理を重ねることは、経済政策として生産的であるとは言い難い。人口対策を多面的に展開するなどして、ベースの消費需要を基調として大きくさせていくのが本筋のはずである。

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