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 若い経営者は経営に役立つ本をどのように選び、読んでいるのだろうか。MATCHA(東京・台東)は2013年創業。訪日客向けに絞り込んだ情報サイトを運営する。10カ国語に対応しているのが特徴で、言語ごとに記事を工夫することで知られる。約30人の社員のうち、3割ほどを外国人が占める。

 事業開始から5年ほどだが、月240万人ほどが利用する国内有数のインバウンド向けサイトに成長。ユニークなサービスによって、これまで星野リゾートやスノーピークといった注目企業から出資を受けている。

 1989年生まれの青木優社長は「経営に役立つ本をいつも探している」という。これまでにどんな形で経営に生かしてきたのかなどを具体的に聞いた。

青木優社長は1989年生まれ。明治大学国際日本学部卒後、映像制作会社を経て13年にMATCHAを設立した

影響を受けた本として『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門』を挙げています。この本を読んだきっかけを教えてください。

青木:もともとスタジオジブリが好きで、なぜその作品が世界に広がっていったのかについて興味がありました。そのため社長兼プロデューサーである鈴木敏夫さんの本や登場する番組にずっと注目しています。

 あるとき鈴木さんがこの本の著者である森岡毅さんについて触れていたのです。それをきっかけに、私も森岡さんの著書を読むようになりました。

読んでみて、特にどんな点にひかれたのでしょうか。

青木:一言で言えば、いかにして消費者と向き合い、気づいていないインサイト(背景にある意識)を見抜くか、そしてどう価値を提供していくか。それこそが大切だ、と書いてあることです。

 実は私は訪日外国人向けの情報サイトという、今につながる事業を立ち上げたばかりのころ、進むべき方向をめぐって当時のメンバーと対立したことがあります。