こうした中で、米国の金利が下がる可能性が高いのです。今、日米金利差が縮まるとの思惑から、米ドルが売られ円が買われ、1ドル=107円程度の円高に振れています。また、米中貿易摩擦の今後の展開に対する懸念が拡大したり、トランプ政権が主に中国をターゲットにしている通貨安への批判が日本に飛び火したりすれば、円高に振れやすくなります。

 円高は、日本経済に悪影響をもたらす懸念があります。具体的には、輸出企業の輸出額や、グローバル企業の円換算での業績に影響が出ると考えられます。日銀としても、円高が進むことをあまり好ましいとは思っていないはずです。

 金利が下がり景気刺激策になると単純に考えられている米国では株が買われ、ニューヨークダウは2万7000ドルを超え史上最高値を更新しました。一方の東京市場では、日経平均株価がいまひとつさえない状態にあります。出来高も2兆円以下の日が続いています。

1日の差が日銀には大きな負担

 こうした状況で、日銀の金融政策決定会合とFRBのFOMCが開かれます。日銀が1日早く金融政策決定会合を開くため、FRBより先に決断を迫られます。米国の利下げを見届けてからであってもとても難しい決断を迫られますが、それすらかなわず、米国より1日前に決断しなければならない。日銀が憂鬱を深めるのも無理のないことです。それでも、米国が利下げする確率が高い以上、何らかの手を打たなければなりません。

 ただし、日銀がこの次に開く金融政策決定会合は9月18~19日。少々、間があくこともあり、日銀が今回の金融政策決定会合で何らかの政策変更を行う可能性は低くありません。筆者は、日銀が、日本株の購入額を増やす可能性があると考えています。現在、ETFなどを通じて株式などを年に約6兆円購入しています。これの増額に踏み切る可能性があります。これとて、容易な決断ではありません。中央銀行である日銀が、価格変動リスクの大きい資産を保有することへの批判は依然として大きい。自身の財務安定性を確保するためにも好ましいことではありません。

 日銀が7月29~30日の金融政策決定会合で下す結論から目が離せません。

まずは会員登録(無料)

有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。

※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。

※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。