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 中国国家統計局が2018年の国内総生産(GDP、実質)は前年比6.6%増と発表しました 。1990年以来28年ぶりの低水準とのことです 。私はそれでも、6.6%は高すぎるのではないかと懐疑的に捉えています。

 皆さんもご存じの通り、巷では以前から「中国の発表する経済統計は信憑性が低いのではないか」とみられています。実際のところ、中国のGDPの成長はどれほどの水準なのか。中国をとりまく「現象」から考えてみたいと思います

不動産投資にばかり頼れない(写真:Imaginechina/アフロ)

6%台の成長率を維持していると発表しているが…

 2018 年の推移を振り返ると、1~3月期は前年比6.8%、4~6月期は同6.7%、7~9月期は6.5%、10~12月期は6.4%。そして2018年通期は6.6%となっています。中国政府が掲げた2018年の目標値は「6.5%前後」 でしたから、この目標は達成したことになります。

中国の実質GDP
(前年比、%)
2016年 6.7
2017年 6.8
2018年 6.6
2018年1-3月 6.8
4-6月 6.7
7-9月 6.5
10-12月 6.4
出所:中国国家統計局

 中国では、すでに15~59歳の労働力人口が減少しつつあります。2011年のピーク時 には9億2500万人でしたが、2016年末には8億人強 まで落ち込みました。この点を考えますと、GDPが徐々に減速するのは、確かに自然の成り行きです。成長率は働く人の数の伸びとその生産性の伸びで決まりますからね。ただ、実際は、労働力人口の減少を上回るスピードで減速が進んでいる可能性があります。

 GDPは、支出面から見ると以下の要素から構成されます。

GDP=家計の支出+企業の支出+政府の支出+(輸出-輸入)

 それぞれの減速傾向をみていきましょう。