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 そうなると、日本経済への影響も避けられません。訪日客による消費額は2017年、16年に比べて18%増加し約4兆4000億円 となりました。過去最高額です。中でも、中国人観光客による消費は約1兆7000億円と首位に位置しています。

 中国政府が旅行収支赤字や旅行者による商品購入の縮小を視野に入れ動き始めると、この莫大な観光収入が大幅に減少する可能性が生じるのです。

消費増税は、再び延期される可能性がある

 3つ目のポイントは、消費増税です。今年10月に消費税率が8%から10%へ引き上げられる予定です。しかし、再び延期する可能性が低くないと私は考えています。安倍晋三首相が最もやりたいのは憲法改正です。そのための環境を整えるのに消費増税は好ましいものでありません。

 今年は統一地方選挙と参議院選挙が予定されています。私は、与党が勝利し、憲法改正の発議に必要な3分の2議席を参院で維持する可能性が高いと見ています。野党の力が弱いですからね。

 選挙後に憲法改正を議論するのであれば、来年に向けての通常国会でしょう。選挙明けの臨時国会では期間が短すぎます。

 このシナリオを考えた場合、安倍首相は、10月の消費増税を決断できるでしょうか。

 前述のように国内景気はすでに変調をきたしています。

 GDPの50%強を支える個人消費の動向を「消費支出2人以上世帯」でみてみましょう。

 2014年度の数字が、前年比▲5.1%と大幅に落ち込んでいますね。この年は消費税率が5%から8%へ引き上げられた年でした。

 さらに、15年度と16年度もマイナスが続いています。消費増税を断行した後、消費は長い間回復しなかったわけです。だからこそ、政府は2度目の消費増税を延期してきたのです。また、2018年の数字も、総じて前年比マイナスで、11月も▲0.6%でした。

 景気が陰りを見せる中で消費増税を断行すれば、安倍内閣の支持率は下がります。それが憲法改正に大きく影響することは間違いありません。

 以上のことを考えますと、もし参議院選挙で憲法改正賛成派が3分の2の議席を維持した場合、安倍政権は10月の消費増税を再び延期する可能性もあるのではないかと思います。

 ただし、景気対策だけは実行する可能性があるでしょう。予算はすでに組まれています。消費増税をせず、この予算で景気を下支えする姿勢を示せば、憲法改正の国民投票には有利に働きます。