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 ただし、このように四半期ごとにプラスとマイナスが繰り返すのは、景気拡大期の最後にありがちな動きです。日本の景気はそろそろ下降局面に差し掛かるのではないかと私は見ています。2017年の成長率を見ると、ずっとプラスが続いていました。景気が強い時は、このようにプラスが続くのです。

 注意しなければいけないのは、米中貿易摩擦が本格的に始まる前から、日本の景気はすでに変調を来していたわけです。2019年は、この状況に米中貿易摩擦がもたらす負の影響が加わるとみる必要があります。

勢い失うマンション契約率

 国内の景気を見る上で、私がもう一つ注目している指標が「マンション契約率」です。これは、民間のシンクタンクである不動産経済研究所が調査・発表する指標で、首都圏と近畿圏の新築分譲マンションの契約率と発売戸数を調べたものです。

 この指標を見る場合、「良い」と「悪い」の境目は一般的には70くらいとされています。2年ほど前までは、仮想通貨バブルで得た資金で不動産を購入するケース、あるいは中国人が海外に資産を移そうとして日本のマンションを購入するケースが多々見られました。ですが、このところ、そのトレンドが少し変わってきたと感じます。

 「マンション契約率」の推移を見ますと、特に首都圏は2018年の春以降失速しつつある様子が窺えます。このまま勢いが落ちてゆく可能性があるので、注意が必要です。

 よく、「2020年の東京五輪までは日本の景気は持つだろう」という根拠のない憶測を耳にします。私はそこまで景気が持つことはないと考えています。

 中国人は、東京に魅力を感じて不動産を買っているわけではありません。購入したマンションは単なる投資対象ですから、不動産価格がいったん落ち始めたら、一気に手を引く可能性があります。仮想通貨バブルも終わっています。