
やはり、現実はドラマよりドラマチックだった。
多くの野球ファンが望んでいたシーン、大谷翔平選手 vs マイク・トラウト選手が実現したのだから、人生ってつくづくおもろい! と感動する。
2019年の「ラグビーワールドカップ日本大会」、22年11~12月の「サッカーワールドカップカタール大会」、そして、今回の「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」と、見ている日本人の心に刺さる戦いにあるのは、“チーム力”だ。
すべての選手が輝いていた。いろんな“宝石”が集められた宝石箱のようだった。
ダイヤの輝きがトルコ石のブルーグリーンを鮮やかにし、エメラルドの魅惑的な緑色がルビーの多色性をさらに深くする。それぞれ宝石=メンバーが「勝つ」ためにできることを探し、目に目えない糸でつながっていた。
たまらん! プレーの数々、何度でも見たくなるみなぎる闘志、しびれました~。
ただの「人」として、つながっている
今回、テレビ各局が3月21日はお花見とセットで、22日は会社に「出社or休み?」という感じのVTRやら中継やらを入れていたのだが、面白かったのは、そこで見えた“令和の世界“だった。
リポーターが「誰がお花見の場所取りをしたんですか?」と聞くと、「はい! 僕です」と社長さんが手を挙げた。「みんな忙しくて僕しか来られなかったんで」と笑うと、社員たちも笑った。
リポーターが「こちらの会社では……」と社内に入っていくと、社員たちが楽しそうにテレビの前に集まっていた。「どうせ見るならみんなで見た方が楽しいので」と笑う社長さんの周りで社員たちがくつろいでいた。
また、某大手企業では「一応出勤扱いだけど……」としながら、大会議室が即席のパブリックビューイング会場になっていた。
「こういう場を設定しなくても、おそらく、みんなパソコンとかスマホとかで見ると思う。それだったら、けじめをつけて、みんなで応援しようということにした方がいい」と話す会長さんもうれしそうだった。
そういえば侍ジャパンのテレビ中継を見ていて(全部見ちゃいました!)、「うわぁ、なんか古っ」と解説者のコメントに少々うんざりしたり、Yahoo!ニュースに上がる昭和時代に活躍した野球選手たちの、「え? それ、ここで言う?」的コメントにどんよりした気分にさせらたりして、役職とか年齢とか世代とかを超えて、相手に敬意を払うことの大切さを痛感した。
「敬意」を持てない人には「共感」がない。一方で、侍ジャパンのメンバーには敬意があった。年齢とか経験とかには関係なく、互いに敬意を払い、野球人として、ただの「人」として、つながっているのが見ているだけで伝わってきた。
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