
今回は「命の価値」について考えてみる。
ーー突然ですが。
わたしのお給料は
基本給 11万5000円
そこに手当がついて、手取り15万円ほど。
賞与はほぼ寸志です。
年収は250万に届きません。
指定管理の児童館長として8年。
1円も上がっていません。
(中略)
とてもいい仕事。
だいすきな仕事。
だけど、今日会社から言い渡された
更なる減額と職員数カット。
心が折れかけています。
「お金ない! 無理!」と民間に丸投げ
2022年の11月28日、児童館の館長を務める40代の女性が投稿した冒頭のツイートは、1.4万リツイートされた。NHKが女性に取材したところ、児童厚生員の資格を持つこの女性は、週6日勤務で、1日の労働時間は9時間ほど。基本給は、この10年近くの間で1円も上がってないという。そう、10年。地域の子どもの遊び場であり、学びの場であり、子どもの成長を支える、児童館の館長さんの基本給が、「10年で、1円も上がってない」。
「土日も開館している上、悩みを抱える子どもから夜中に電話がかかってくることもある」という(NHKの取材から)、子どもを支える“美しい仕事”をしている人たちの生活が、ちっとも“美しくない”状況に追いやられている。
低賃金の理由は「指定管理者制度」。経費削減と市民へのサービス向上を目的に、公共施設の管理・運営に民間企業などの参入を認める制度で、03年の地方自治法の改正に伴って導入された。
市民サービス向上と言えば聞こえはいいが、本来は公務員がやるべき仕事を、「お金ない! 無理!」と民間に丸投げした、自治体による自治体のための制度と言えよう。
実際、導入が認められた当初から、「経費は削られるばかりなのに、依頼される業務は増え続けている」「これができてない、あれが足りないと責められるばかりで採算が取れない」といった窮状が指摘され、撤退したがる会社は年々増加した。最近は、「公募しても手を挙げる会社がゼロ」という事態も相次いでいるという(資料、https://www.nikkei.com/article/DGKKZO67131970U2A221C2EA5000/)。
経費が減らされても、目の前には子どもたちがいる。“ここ”をよりどころにする子どもだ。
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