――自分らしく生きたい、と願うからこそ、私たちは助け合って生きていることを忘れてはいけないし、優しさやいたわり、愛情といった温かな感情を訓練して身につけてこそ、成熟するのだと思う。

 「私」も成熟する1年にしたいと思っています。
 人生にはあまねく困難やストレスが存在する。
 しかし、人は幸せになるために生まれてきたのだから、それを乗り越えるパワーがあると信じてほしいです。

 そして、「私」たち世代が成熟することで、社会が少しでも良くなればいいなぁと願います。

 とにもかくにも「愛をケチるな!」。
 22年最後のコラムを、「光を見た1年だった!」と締めくくれるように……。

目に見えない壁が立ちはだかった

 22年の最初に書いたコラムをこう締めくくり期待したけど、筆を走らせながら、今この瞬間も、「光は見えたか?」と自問し続けている。 
 皆さんはどう感じているだろうか?

 もちろん「私」を主語にすれば幾ばくかの「光」を見たかもしれない。しかし、それは「私たちの光」と呼べるものではなく、「私」と「他者」との間に、目に見えない分厚い壁が立ちはだかっているように感じる場面が多かった。実に悲しいけれど。

 というわけで、例年通りこの1年にたくさん読まれたコラムを振り返りながら、あれこれ考えます(集計は22年12月19日時点)。ほとんどの人たちが仕事を納め、年末年始の休みに突入してる人も多いとは思いますが、お付き合いいただければ幸いです。

 では、早速まいりましょう。22年、たくさん読まれた「ベスト10」は以下の通りです。

1位:「50代より働かないZ世代」の光と闇 遅刻のお詫びは絵文字のLINE(コメント数68件)
2位:昇進嫌がる40代、切り捨て御免50代、会社を支えるのは誰(同29件)
3位:40歳以上が6割強 会社にしがみつく「老害社員」のホンネと実態(同27件)
4位:目指せ窓際族! “働きたくない30代年収700万円エリート”増殖中(同46件)
5位:あえぐ「役職なし氷河期世代」 やる気も健康も悪化、頭悩ます50代上司(同42件)
6位:氷河期世代、生活水準は「下の下」 親は死ぬまで子の面倒を見よ(同95件)
7位:無駄な努力はしない? 働きたくない息子とこの国の未来(同84件)
8位:博士の価値、年収240万の絶望と「おじさん博士」爆増の光(同42件)
9位:役職定年も男女平等? 「50代会社員無理ゲー社会」で消える光(同25件)
10位:10兆円で東大、京大を稼ぐ大学に? 劣化する日本人の“頭の良さ”(同49件)

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