(写真:Shutterstock)
(写真:Shutterstock)

 就活って……一体何なのだろう。内定地獄、就活エリートなど、何かと話題になってきた就職活動だが、今度は“替え玉受験”である。

 先週、就職採用試験の「Web(ウェブ)型適性検査=Webテスト」を志願者の代わりに受験したとして、28歳の“エリート会社員”が逮捕された。
 逮捕された会社員を“エリート”と呼ぶのも奇妙だが、「やっているうちに、学生に感謝されたり、それでお金をもらえたりしてやりがいを持っていた」という犯行理由も、どうにもこうにも突っ込みづらい。……これも何かの“適性”なのだろうか。

何が何でもWebテストを通過しなきゃ!

 いずれにせよ、今回の逮捕は氷山の一角。数年前からWebテストの“不正問題”は指摘されていたし、替え玉受験を担う代行業者も1つや2つじゃないようだ。学生たちの使うSNS(交流サイト)などでは、“替え玉受験”という言葉が数年前から飛び交っていた。

 就職情報提供大手のディスコ(東京・文京)が2021年7月に実施した調査(資料:https://www.disc.co.jp/wp/wp-content/uploads/2021/07/202107_gakuseichosa_kakuho.pdf)では、「知り合いや友人がやったのを知っている」と答えた人は約3割(30.2%)、自身が「不正の経験がある」という学生は8.4%、「不正を手伝った経験がある」は9.3%で、約5人に1人が替え玉に手を染めている計算になる。

 この調査には、「大学の入学試験があれだけ厳しいのに、企業の入社試験で不正ができるのはおかしい」「1人で就職活動をしていたため、テストの解答が出回っていることを知らず、実力で受験した」「テクノロジーを駆使すれば(替え玉受験は)十分に防げるのだから、その努力はしてほしい」といった、学生たちの至極まっとうな意見も寄せられていた。

 多くの就活生は説明会に参加した後、「エントリーシートを提出→面接」と進むわけだが、Webテストは面接前に実施されるケースが多い。また、Webテストにも様々な種類があるが、一般的には「性格検査」と、論理的思考や目的遂行能力、構造的把握力などで構成される「能力検査」に分かれ、“替え玉受験”は主に能力検査で行われているらしい。

 企業側は、Webテストという“地頭らしきものを測るテスト”で面接試験へ進む学生を選別するために使い、学生側は「面接に進むためには何が何でもWebテストを通過しなきゃ!」と必死になる。書店に行けば、Webテスト突破法だの、完全対策だの、短期間で得点アップだのをうたう参考書が山ほど積み上げられ、Webで検索すれば、Webテスト対策塾だの、個人サポートだの、内定塾だのといったページがヒットする。