以前、どこぞの政治家さんが、「食べるのに困る家は実際はない。今晩、飯を炊くのにお米が用意できないという家は日本中にない。こんな素晴らしいというか、幸せな国はない」と“我が国ニッポン”を称賛した時の“能天気ぶり”にもあきれたけど、今回のは“心の奥底の意地の悪さ”としか思えなかった。

 「米も買えないなんて、あんたの金のやりくりが悪いんだよ」という新手の自己責任論であり、「お涙頂戴みたいな報道ばっかすんなよ」というメディアバッシングでもあった。

異常としか言いようがない

 新型コロナウイルス禍で仕事を失ったシングルマザーたちが、「子供がおなかをすかせていても食べさせる物がない」「公園の水や野草で空腹を満たしている」と胸の内を吐露した報道が続いた時は、多くの人たちが心を寄せたのに。
 給付金支給を政府が検討していることに対しても、「全員に配るんじゃなくて、困っている人たちに!」という声があちこちから上がっていたのに。

 今は「金の使い方が悪い、なってない」と批判している。「貧乏人はこうあるべきだ」論が繰り返されている。

 相変わらず賃金が上がらず、物価ばかり上がり、「みんな苦しいのに頑張っている。なんでシングルマザーばかり取り上げるのか」という不満なのか?
 あるいは、ただ単にコロナ前に戻ったってことなのか?

 しかし、そんなSNSでの厳しい反応があった一方で、くだんの報告書に記された自由記述は、深く深く考えさせられるものだった。以下、一部を抜粋し紹介する(資料、https://www.single-mama.com/wp/wp-content/uploads/2022/11/bukkadakachosa.pdf

  • 「お肉を食べたい」と言うが我慢させている。お菓子も買えないので友達と遊ぶのも控えさせており、仲間はずれにされるようになってしまった。
  • 学校指定の上履きが2800円。既にサイズアウトし、圧迫された親指の爪からうみが出てしまっている。
  • 学校で用意してくるように言われた物を子供が言わなくなり、忘れ物扱いだったことを知った。
  • 破れている、黄ばんだ物を着ていると保育園から指摘され、子供に申し訳ない。
  • 高校の修学旅行のお金がどうしても準備できず、行かせてあげることができなかった。
  • タブレットで宿題をする予定らしく学校からWi-Fiをと通達があったが、収入が不安定なためつなげることができない。
  • 毎回同じ服になるのを気にして、子供が友達と遊びに行くのを控えている。
  • 食べたい物、欲しい物を我慢させたことで、子供が遠慮がちな発言をするようになった。
  • 布団が買えず、子供の頃に使っていた毛布をつなぎ合わせて使っている。
  • 私自身は職場で昼食をとらず、1日1食にしている。
  • お風呂は週2回、青森は冷えますが暖房は使わないようにしている
  • 朝は食べない。働いても働いても(お金が)たまらない。毎日子供は1人。泣きたくても泣けない。
  • 仕事を休むと収入が減るので、病気や持病があっても病院には行かない。

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