しかし、申し訳ないけど、私の脳内のトラは大騒ぎなわけです。
「アンタらが採用を控えて、勝手に就職氷河期をつくっておいて、正社員に転換したって給料は変わらず、中には下がった人たちもいて、でもって50代以上を用無し扱いしておいて、で? でで?? 40代がやる気を失ってる?? そうしたの、アンタたちやんか~!」といった具合に。
はい、すみません。ちょっと言い過ぎました。あ、でも、トラさんのご意見ですから。というか、これって本当のことですしね。
「いつかは正社員」と思って働いていた
一方で、件の男性が指摘する通り、今の40代はとてもとても、本当にとてもしっかりしている。
待てど暮らせど“下”が入らず、ずっと下っ端の仕事をやらされてきた。年々増殖した“言うだけ番長”の理不尽な要求に、耐えてきた世代でもある。
年を重ねる度にずうずうしさを増している私なんぞは、蛇は蛇でも一回り違う巳(へび)年の“彼ら”を、てっきりうっかり年上と勘違いしたこともしばしば。
いずれにせよ、これまでも就職氷河期世代の問題は、様々な角度から本コラムでも論じてきた。しかしながら、それらの多くが「非正規」問題に関することだった。
そこで今回、正社員として働く40代の会社員数人にコンタクトしたところ、かなり冷静かつ辛辣な意見を聞くことができた。彼らは一様に、「上の世代のキャリアパスは全く参考にならない」と憂いていた。
意外だったのは、キャリア意識が想像以上に高く、肩書が付かないことへの絶望があったこと。本コラムでも管理職昇進を嫌がる40代について書いたが(「昇進嫌がる40代、切り捨て御免50代、会社を支えるのは誰」)、これもキャリア意識の高さゆえの選択だったのだろう。
「私は最初、契約で入社しました。『いつかは正社員』と思って働いていたけど、なかなかなれなかった。でも、契約といえども、色々な仕事をやらせてもらえたので、仕事にやりがいは感じていました。
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