そこで今回は、くだんの調査結果を軸に……、えっとテーマは何だろう。日本の未来とか、可能性とか、光、とかにできればいいのだが、むしろ絶望に近い。とにかく調査結果から見えた、「今を生きる働く人のリアル」を書きつづります。

 まずは調査結果の概要から。

<「中流の暮らし」について>

  • 「中流の暮らし」に必要な年収は「600万円以上」とした人が最も多かった。
  • 「中流の暮らし」に当てはまる条件のトップは、「世帯主が正社員として働いている(63%)」。次いで「持ち家に住んでいる(61.2%)」「自家用車を持っている(59.5%)」。

親より経済的に豊かになれると思うか

<現在の生活水準>

  • 「暮らしに余裕がある(かなり+どちらかと言えば)」は43.3%。「余裕がない(全く+どちらかと言えば)」は56.7%と6割弱。年代別では、40代の61.5%、50代の60.7%が「余裕がない」と回答し、他の年代より高かった。

<階層帰属意識>

  • 「生活水準(選択肢は、「上」「中の上」「中の下」「下の上」「下の下」「分からない」)」を聞いたところ、全体の55.3%が「中間層(中の上、中の下)」と回答。
  • 20代と40代は中間層に入るとした割合が他の年代より低く、「下位層(下の上、下の下)」に入るとした割合がそれぞれ39.7%、39.8%と約4割を占めた。
  • 下の下が最も多いのは40代(14.4%)、次いで50代(12.3%)。
  • 上の上が最も多いのは60代(21.6%)、次いで50代(19%)。

出所:労働政策研究・研修機構「暮らしと意識に関するNHK・JILPT共同調査」
出所:労働政策研究・研修機構「暮らしと意識に関するNHK・JILPT共同調査」
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 ……ここまでは想定通り、氷河期世代に当たる年代層の暮らし向きが厳しく、中流意識が他の世代より低いことが確認された。が、問題はここから。

 調査では「よい人生を送るための条件として最も重要なこと」という問いに、「真面目に努力すること」(46.1%)が圧倒的に多かった。ところが、「親」という最も身近な社会的存在との相対比較が、“心”にかなりの影響を及ぼしていたのだ。

<親より経済的に豊かになれると思うか>

  • 3人に1人(36.2%)が「なれないと思う」と回答。
  • 年代別では40代が最も多く42.5%、次いで30代の41.3%。
  • 就業形態別では、非正規・フリーランスで4割超が「なれないと思う」と回答。
  • 理由は「親の時代と景気が異なる」が約6割で最も多く、年代別には40代が他の年代より高かった(66.7%)。

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