このプログラムの売りは、「相談、教育訓練から職業紹介、職場定着まで切れ目のない支援」だったのに、結局はキャンペーンにすぎなかった。氷河期世代自身に「ずっと捨てられてきた」と言わせてしまう、当事者不在の支援策だった。もしかして、19年の参院選の票集めだったってこと?

 ちなみに、19年に内閣府が発表した「就職氷河期世代支援プログラム関連参考資料」によると、非正規職員・従業員371万人のうち50万人が、正社員採用を希望していながらも、非正規社員として勤務している人で、非労働人口219万人のうち40万人が、就職を希望していながらも、さまざまな事情で求職活動をしていない長期無業者だという。

どうすることもできない変数の重さ

 中高年化した氷河期世代は「団塊ジュニア」(1971年から74年に生まれた世代)とも重なるために人口が多く、今後高齢社会日本のボリュームゾーンになる世代でもある。

 「うまく働けない」状況は、中高年の引きこもりや、8050問題(引きこもり状態にある50代が80代の親とともに暮らし、経済的支援をされている問題)の引き金にもなるのに。

 選挙に当選することだけが目的になっている“お偉い人たち”には、この深刻さが、氷河期世代を放置することが、この国の未来にどんな影を落とすのか? が、全く分かっていないのだろう。

 そんな中、労働政策研究・研修機構から、「暮らしと意識に関するNHK・JILPT共同調査」の結果が公表され、多くの氷河期世代が含まれる40代の生きづらさが浮き彫りになった。

 調査自体は「中流の暮らし」にスポットを当てているのだが、調査結果を読み解くと、どんな時代に就職したか? で、生活だけではなく社会への向き合い方に違いがあることを垣間見ることができる。大ざっぱに言えば、格差拡大とその固定であり、そこに加わる「就職した時代」という、自分の力ではどうすることもできない変数の重さを痛感させるものだった。

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