(写真:Shutterstock)
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   先日、仕事の打ち合わせがスタートする前、ちょっとした雑談で盛り上がった。リモートでの打ち合わせが当たり前になってから、とことん“無駄”が省かれていたので、参加者の“人間臭さ”が垣間見えたのは久しぶり。主催の1人が遅刻してくれたおかげ、だ。

 ネタは「うちの息子」。

 参加者の1人は、「うちの息子から『なんで働かなきゃいけないのか?』と聞かれた」のだという。そのときのやりとりから、息子さんが実に「今どきの若者」で、しかもそのやりとりがまるでコントのような言い回し。おかげで場が和んだのは良かったのだが、一方で個人的には、かなり考えさせられるものがあった。

「勉強をほったらかして就活」はくだらない

 これまでも「何のために働くのか?」という問いは、自分でも何度も反すうし、自分なりの“解”は、このコラムでも、講演会でも、講義でも書いたり話したりしてきた。しかし「なぜ、働かなきゃいけないのか?」と問われたら、さて、どう答えればいいのだろう。

 「あなたにとって仕事とは何ですか?」という問いは、フィールドワークにおけるインタビューの最後にマストで聞いてきたが、「あなたは働かなければいけないのですか?」なんて質問はしたことがない。

 というわけで、今回は「なぜ、働かなければいけないのか?」というシンプルな問いについて、あれこれ考えてみる。

 では、冒頭の「うちの息子の話」の続きから。

 「うちの息子があまりにも就活に熱心じゃないので、『もう少し頑張った方がいいんじゃないか』と言おうと思ったんです。ただ、就活って結構デリケートな問題でしょ。あまり強く言い過ぎてプレッシャーになるのも、ちょっとアレなんで。『色々な会社を知っておいた方が、いいと思うけど~』くらいにとどめました。

 そしたら息子が、『学生なのに本業をほったらかして就活するのはくだらないって、お父さんが言ってたからだよ』って。確かに、そんなことを言ったのかもしれません(笑)。でもね、それとこれとは話が違う。息子の反論は無視して、『何社くらいエントリーしたんだ?』って聞いたら、何も言わないんですよ。

 その後も、スマホばっかりいじっているので、『聞いてるのか?!』って大きな声を出してしまったんですが、息子はびくともしない。で、その後にボソっと、『ねえ、なんで働かなきゃいけないの?』って聞いてきた。

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