自己肯定感は、「どうやって叱るか?」が重要で、その際、信頼と共感を示すことが肝心となる。

 例えば、成績が悪かった子供を頭ごなしに叱ったり、やたらに励ましたりするのではなく、「あなたは頑張ったのにうまくいかなかったね」などと、頑張りを評価(=共感)した上で、本人にうまくいかなかった原因を考えるように仕向ける(=相手への信頼)。自分と向き合い、自分で決める経験を積み重ねさせることが大切なのだ。

おじさん・おばさん vs Z世代

 そもそも自己肯定感は、「いいところも悪いところも含めて自分を好きになる感覚」であり、自分自身を積極的に受け入れることだ。ありのままの自分と折り合いをつけることでもある。

 子育て論でよく使われる「自尊心」も、褒めるだけでは育まれない。

 大切なのは、親が子に関心を持つことで、「いいことはいい」と認め、「悪いことは悪い」とたしなめる経験が自尊心を育む。関心を持つ=褒めるではない。

 自尊心に関する研究は古くから行われているが、かつては「無視するより殴るほうがマシ」といった暴論が研究者から出るほど、「関心を持つこと」「関わること」が重視されてきた。

 つまり、上司が部下と関わる際に、なんでもかんでも褒める!は、もろ刃の剣。短期的な効果はあれど、長期的にはネガティブな側面が大きい。要求をいちいち受け入れていると、彼らの「生きる力」「ストレスに対処する力」さえも失われていく。

 上司は上司らしく振る舞えばいい。Z世代に迎合する必要はないのである。

 大切なのは、相手=部下の意見をきちんと聞き、自分=上司の意見もきちんと伝えること。伝えるには、教える、指導するも当然含まれる。そして、「そっか!こうすればいいんだ!」と腑(ふ)に落ちる経験をさせ、そのときは200%褒めてほしい。部下が小躍りした場面でこそ、上司の褒め言葉は生き、それこそが「共感」(前述)なのだ。

 では最後に、冒頭で「センシティブな問題もはらんでいる」と書いた理由を述べる。