(写真:Shutterstock)
(写真:Shutterstock)

 今回は「成果は誰のもの?」というテーマで、あれこれ考えてみる。

 東京商工リサーチの集計によると、国内の上場企業の2022年3月期決算で、役員報酬が1億円以上の“1億円プレーヤー”が663人と、過去最多だったことが分かった。1億円以上の役員報酬を開示したのは287社で、21年の253社から34社増。人数も21年の544人から119人増で、社数・人数ともに開示制度が開始された10年3月期以降で、過去最多を更新している(資料、https://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20220722_01.html)。

がんばれば稼げる! 1億円プレーヤーも夢じゃない!

 最も報酬が高かったのは、ヤフーを傘下に持つZホールディングスの慎ジュンホ取締役で43億3500万円。2位は第一交通産業(北九州市)の創業者で、6月に会長を退いた黒土始相談役の19億400万円。3位はソニーグループの吉田憲一郎会長兼社長で18億8800万円。一方、1億円以上2億円未満は474人で、全体の71.4%だった。

 また、1億円プレーヤーが多かったのは、日立製作所で18人(21年15人)、三菱UFJフィナンシャルグループ13人(同11人)、東芝13人(同1人)と続いている。

 “1億円プレーヤー”――。懐かしい響きだ。

 バブル期の1986年、2年連続三冠王を獲得したロッテの落合博満選手が1対4の大型トレードで中日に移籍し、日本人選手では史上初の1億円プレーヤーになり話題になったのを覚えている人は多いはず。いやいや、スポーツ選手だけじゃない。不動産業で大金を稼いだ青年実業家や、ヤンエグ(ヤング・エグゼクティブ)と呼ばれる人たちが、「我も我も!」と1億円プレーヤーの仲間入りをした。

 夜の銀座の街に、会社の接待費で繰り出したフツーのビジネスパーソンでさえ、「がんばれば稼げる! 1億円プレーヤーも夢じゃない! 24時間働きまっせ!」と、“健康ドリンク片手に”夢を見た。

 私も勘違いして浮かれていた1人だが、あの頃は日本全体が異常だったし、あの時代が良かった、とも思わない。しかし、ここまで報われない社会になるとは。今の50代の、いったい誰が、ここまで稼げない時代が到来するだなんて予期しただろうか。

 ましてや、時代の理不尽を全て背負わされた氷河期世代からすれば、こんなにも長いこと無間地獄が続くだなんて、思いもしなかっただろう。”いい思い”をした上の世代を恨んで当然であろう。

この記事は会員登録で続きをご覧いただけます

残り4228文字 / 全文5331文字

日経ビジネス電子版有料会員になると…

特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題

ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題

日経ビジネス最新号、11年分のバックナンバーが読み放題

この記事はシリーズ「河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。

12/15ウェビナー開催、「外食を救うのは誰か」第1回――すかいらーく創業者の横川氏が登壇

 新型コロナウイルスの感染拡大から3年目となり、外食店に客足が戻りつつあります。一方、大手チェーンが相次ぎ店舗閉鎖を決定するなど、外食産業の苦境に終わりは見えません。どうすれば活気を取り戻せるのか、幅広い取材を通じて課題を解剖したのが、書籍『外食を救うのは誰か』です。
 日経ビジネスLIVEでは書籍発行に連動したウェビナーシリーズを開催します。第1回目は12月15日(木)19:00~20:00、「『安売りが外食苦境の根源だ』ファミレスをつくった男が激白」がテーマです。講師として登壇するのは1970年にファミリーレストラン「すかいらーく」1号店を開業した横川竟氏と、外食経営雑誌『フードビズ』の神山泉主幹です。書籍を執筆した記者の鷲尾龍一がモデレーターとなり、視聴者の皆様からの質問もお受けします。ぜひ、議論にご参加ください。

■日程:12月15日(木)19:00~20:00(予定)
■テーマ:「安売りが外食苦境の根源だ」ファミレスをつくった男が激白
■講師:横川竟氏(すかいらーく創業者、高倉町珈琲会長)、神山泉氏(外食経営雑誌『フードビズ』主幹)
■モデレーター:鷲尾龍一(日経ビジネス記者)
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
■主催:日経ビジネス
■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料となります(いずれも事前登録制、先着順)。有料会員以外は3300円(税込み)となります。
※第2回は詳細が決まり次第ご案内します。

>>詳細・申し込みはリンク先の記事をご覧ください。