(写真:Shutterstock)
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 今回はちょっとだけ切なくて、それでいて滑稽で、しかし、決して笑えない顛末(てんまつ)をたどる問題について、あれこれ考えてみる。

 新型コロナウイルス禍で一気に加速したテレワーク。中でも増えたのが、とても便利なリモート会議だ。
 私自身、リモートで取材や打ち合わせが可能になったことで、コロナ前より気軽に依頼を受けられるようになった。一方で、かつては当たり前だった「名刺交換」がなくなり、「えっと……、あの人、誰だったんだろう?」なんて焦ることもチラホラ。

部下だけカメラオフのリモート会議

 フェースtoフェースで人と会っていたときは、交換した名刺を机の上に並べ、会話の最中にお名前や役職をこっそり確認しながらコミュニケーションを取っていたのに、リモートだとそれができない。1対1なら問題ないのだけど、3人以上になるともう無理だ。さて、困った。

 ……が一方で、そもそも名刺が手元にないと、そんな「困った」という感情が即行で消えていくから不思議だ。

 初対面→名刺交換→名刺ホルダーへ→山のようにたまる→いつお会いした人か思い出せない(ごめんなさい!)、といった流れが当たり前だったときは、ただの紙切れと思っていた名刺が、いざなくなるとやたらと恋しい。

 そういえば、ステイホーム(懐かしい言葉だ!)でリモート会議を余儀なくされた2年前。

 「上司が、『リモート会議だと名刺交換もできないから、うちの会社から私(部長)が出てるってことを向こうはわかってないことがある』と不満げに言うので、上司だけ顔出して、私たち部下はビデオオフで会議をやることになった。くだらないっ……」

 こう知り合いが吐き捨てるようにぼやいていたけど、はい、はい、確かにそういう“奇妙なリモート会議”ありましたわ!

 たかが名刺、されど名刺。

 そんな「名刺問題」が今回のテーマだ。正確には、「会社員にとっての名刺問題」なので、会社員の皆様、ご自身の体験談もお寄せくださいませ。

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