まぁ人間、半世紀以上生きると、そうそう簡単に性格は変わりませんし、なんだかんだで“我”が強くなりがちですし、頭も体も硬くなりますし……、それが老いることの一部だったりもするので、手ごわいのは仕方がないか、と。

 とはいえ、ベテラン社員の中にも「やる気のある人」はいるし、若者の中にも「やる気のない人」はいる。むしろ、これまで本コラムで取り上げてきた多種多様な調査結果や、インタビューしてきた人たちの言葉を思い浮かべると、おじさん・おばさんの方がやる気があるのでは? と思うことも。


 そんな中、労働政策研究・研修機構から「産業構造と人口構造に対応した働き方の課題」という副題が付いた研究報告書(「変わる雇用社会とその活力」)が公表された。主題の「変わる雇用社会とその活力」よりも、副題の方が個人的には興味深く、205ページにわたる報告書のうち、「労働力のミドルエイジ化と地位・能力向上意欲」「人に頼らないことは良いことか」の2つの章が、これまた実におもしろかった!
 私がこれまで指摘してきた問題点やら何やらが、大規模サンプルで量的に捉えられていることに加え、新たな視点と分析結果に純粋に感動したのだ。

勤め続けたほうが得

 というわけで、今回は「40歳以上の本音」をテーマに、あれこれ考えてみようと思う。

 早速、件の調査の概要と、おもしろかった結果から紹介する(以下のデータは、「変わる雇用社会とその活力 ――産業構造と人口構造に対応した働き方の課題――」労働政策研究・研修機構、より引用)

 本調査は産業構造の変化と人口構造の変化を軸に、「今後の雇用システムのあり方を明らかにすること」を目的に、2017年度から2021年度の5年計画で実施されたものだ。
 調査は、「企業調査班」と「個人調査班」とに分かれて実施されているが、今回取り上げるのは「個人調査班」による最終報告である。

 本調査の報告書によると、これまでの調査で、現在の労働市場は、
・製造業を中心とする「長期雇用セクター」とサービス業を中心とする「雇用流動化セクター」に分断されている
・「既婚者の長期雇用傾向」と「未婚者の雇用流動化傾向」という家族生活の違いによる職業キャリアの違いがある
・「雇用流動化セクター」は「長期雇用セクター」より収入が低い
・「雇用流動化セクター」の中でも、転職経験者より長期勤続者の方が収入が高い
 といったことが明らかになっている。

 つまり、なんやかんやいっても「長期雇用が維持されている」ってこと。正社員だけでなく非正規雇用でも、同じ企業に勤め続けた方がプラス面が大きいのだ。

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