
子供の数が減り続けている。
定年まで働く女性が増え続けている。
結婚しない、あるいは、したくてもできない人が増え続けている。
年老いた親の介護と仕事とを両立させたい人が増え続けている。
……なのに、これまでの「ピラミッド型の人口構成」を前提とした雇用システムがいまだに続いている。
やる気がある人ほど空回り
今や40歳以上が労働力の6割強を占めているのに、働き方・働かせ方のスタンダードは変わらない。気が付けば、部下なし管理職にさえなれない万年ヒラの会社員が7割を超え、職場に舞い戻った定年後再雇用の人たちが“現場”にあふれている、にもかかわらずだ。
ちなみに4月1日現在、15歳未満の子供は1465万人で、前年より25万人も減った。全人口に占める子供の割合はたったの11.7%。年齢階層別では、12~14歳が323万人、0~2歳は251万人と、若くなるほど少ない。
251万人の子供たちの多くが新卒社会人になる20年後、今の40歳は60歳。そう、まだ60歳。“働く余力”が十分にある年齢だ。
これまで私は、企業は「50歳以上を使うしかないのだ!」と、口が酸っぱくなるほど言い続けてきた。しかし企業は、「ベテラン社員のモチベーションをどう維持するかに頭を悩ませている」としつつも、ごく一部の社員以外は戦力外。「お引き取り願いたい」が本音だった。
むろん、定年をなくしたり、ベテラン社員の人事評価基準を変えたり、積極的に再雇用したりするなど、ベテラン社員の力に期待する企業は増えつつある。が、そういった取り組みをしている企業の社長さんでさえ、
「やる気のある人でも50代後半になった途端、スピードダウンしてしまう」
「やる気のある人ほど、空回りしてしまう」
「やる気はあっていい仕事をするんだけど、協調性に欠ける」
「50代を使うのは、本当に難しい」
と、ちょっとだけ後悔していた。
Powered by リゾーム?