(写真:Shutterstock)
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 先週3月8日、新聞各紙が「国際女性デー」にちなんだ特集を展開し、全国各地でイベントやフォーラムが開催された日に、1通のメールが届いた。

 「結局、私たちは永遠に、ベンチを温めるだけの存在なんです」――。そのメールは、こんなにも切ない文章で結ばれていた。

結婚してないとバリキャリ?

 送り主は、以前、フィールドインタビューに協力してくれた55歳の女性。大学卒業後、某大手企業に就職した、夫あり、子供ありの女性だ。

 この女性を最初にインタビューしたのは、今から5年前の2017年だった。

 『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』(河合雅司著)の中で、合計特殊出生率を計算する際に「母親になり得る」とカウントされている49歳までの女性人口と、50歳以上の女性人口とを比較したところ、2020年には「50歳以上の人口(3248万8000人)が、0~49歳人口(3193万7000人)を追い抜き、日本女性の過半数が出産期を終えた年齢になる」と書かれていて、私がヘビー級の衝撃を受けたのがきっかけだった。

 当時の私は、「出産期を終えた年齢」としてひとくくりにされると、兄と私を育てあげた77歳の母(当時)と同じグループに入ることに、ショックを受けた。自分がどうあがいたところで、逃れようのない厳しい現実を突きつけられ、自分の将来に戦々恐々とした。

 と同時に、「そっか。私たち世代の女性たちに、輝きは求められてないのか」と痛感した。「輝き」という言葉に違和感を抱いていたのに、「女性が輝く社会=育児と仕事の両立」「女性が働きやすい職場=育児と仕事の両立」という方程式が、社会を闊歩(かっぽ)していることに、図らずも卑屈な気分になってしまったのだ。

 むろん、私は会社員じゃないので、職場環境うんぬんは関係ないお話ではある。

 しかし、それまで20代、30代の女性たちから、「結婚してないと、バリキャリと思われて苦痛」「子供がいない私は、何の恩恵も受けてない」「ただ、普通に頑張って働きたいだけなのに」といったジレンマを聞くことはあっても、50代の女性たちから、そういう声を聞くことはなかった。

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