とりわけ「経験と習慣」が私の物語に影響を与える度合いは大きい。
 「失敗から学べ」だの「失敗を検証することが成功への秘訣」だの言われても、悲しいかな、人の心は成功体験にとらわれがちだ。

 優れた意思決定をして企業を成功に導いたり、個人的にもうまくやっていたりする人は、「経験を理解する力の高さ」の持ち主といっても過言ではない。

意思決定の場に多様性を

 大抵の場合、意思決定は過去の経験に基づいている。そして、人はいったん意思決定をすると、自分の意思決定を支持する情報ばかり探すようになる。これは「確証バイアス」と呼ばれている。

 そういったゆがみを避けるために、専門家などのご意見番を置くリーダーもいるが、ご意見番にも心のゆがみがあるため、意思決定された案件の妥当性を検討するよりも、手元の利用可能な情報を選択することになる(=利用可能性バイアス)。

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この記事はシリーズ「河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。