(写真:Shutterstock)
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 どんなに仕事のできる上司であれ、どんなに社会的地位の高い上司であれ、部下に罵声を浴びせ、ボロボロになるまで疲弊させた揚げ句、退職に追い込んだり、うつに追い込んだりして良いわけがない、はずである。誰もが家に帰れば優しい夫(妻)であり、自慢の息子(娘)だ。単なる仕事上の上司に、人生をめちゃくちゃにされてたまるか、と思う。

 が、どうにもこうにもパワハラが止まらないのだ。

あんなことで? 弱いだけだろ?

 これだけ社会問題になっているのに、部下を精神的に追い詰める上司が後を絶たない。

 パワハラを受けた人が勇気を出して“声”を上げても、「内部調査をしたがパワハラもセクハラも一切見当たらなかった」と返されるありさまである。 はい、そうです。パラハラの被害者は私の知人です。この数年間で、私の周りだけで5人もの知人がパワハラに遭った。

 社会的に見ても、記憶に新しいところでは、厚生労働省のパワハラ相談員によるパワハラ(「まだ黒じゃない?」 エリートが堕ちる無意識下の悪事)、近畿財務局の職員だった赤木俊夫さん(「パワハラ死」の遺族までも追い詰める雲の上の絶対感財務省職員自死を招いた「怪物組織」の自己保身文化)、検査不正が明るみに出た三菱電機の20代の男性社員(パワハラ自殺送検で問われた「プロの上司」という仕事)、自殺に追い込まれたトヨタ自動車の新入社員の男性(こちらの連載で取り上げた)、などなど名だたる企業や組織で卑劣なパワハラが発覚している。

 これらのパワハラの被害者たちは汚れ仕事を無理やりやらされたり、「潰してもいいのか」「死ねといったら死ぬのか」だの、「バカ、アホ」「こんな説明ができないなら死んだ方がいい」だのと暴言を吐かれたり、長時間労働をやらされたりして、心も体も限界を越え、自ら命を絶った。

続きを読む 2/5 パワハラ被害、実は40代が多い

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この記事はシリーズ「河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。