50代、まだやるべきこともあるし、やりたいことだってある。「働き方改革」という会社が立てた錦の御旗を守るために若手の身代わりでサービス残業をし、上司の理不尽な要求にも「家族のためだ!」と応えてきた。管理職として部下の未来も考え、部下のためにひそかに汗を流したことだってある。
 それだけに、頭の中で浮かんでは消える「後進育成」という美しい4文字が、うらめしく見え、「役職をもぎ取られた感」が沸き立ち、そんな感情を抱く自分にも嫌気がさす。おじさんもおばさんも結構、ナイーブなのです。

 先日、役職定年を「ポストオフ」というネーミングに置き換え、50~64歳を対象に「ポストオフ後のリアル」を調査した結果が公表された(「ポストオフ経験に関する意識調査」)。
 量的な調査結果はほぼ想定内。が、自由記述の中身が実に面白い! いや面白いは失礼か? しかし、人間、いやいや「おじさんおばさん」の中ぶらりんかつ複雑な心境が垣間見られる、極めて貴重なコメントだったので紹介する。

給与は減り、自由時間は増えた

 まず最初に、「まぁ、そうでしょうね」という結果は以下の通り。

●ポストオフで変化したもの
 トップが「賃金」82.8%、次いで「周囲からの期待」56.1%、「仕事量・労働時間」52.9%。

●ポストオフ後の仕事に対する意欲・やる気の変化
 「変わらない」人は3割弱。「一度やる気が下がった」人は6割近く。その後も「下がったまま」は4割前後で、「一度上がって下がった」を加えると、半数近くがやる気を失っていた。
 役職別では、「部長ポストオフ」の44%、「課長ポストオフ」の50%が、「やる気が下がったまま・下がった」状態だった。

 では、ここから“リアルコメント”をいくつか紹介する(ポストオフで失ったもの、得たものを自由記述)。

●ちょっとだけ切ない編
 「権限と情報入手量の大量低下で、会社で何が起こっているのか、まったく分からなくなった」
 「サラリーマンとしては、さまざまなことを失った(否定された)。プライベートの時間は得た」
 「年齢によるものなので邪魔をしてはいけないと思うが、役職によってはまだ一線にとどまっている人もいることからすると、自分に足りなかったものは何だったのかを考えてしまう」
 「以前と同様の仕事なのに給料が下がることへの不満がある。自由時間の増加」

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