(写真:Shutterstock)
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 「色々とやってはいるんですが……難しいですね。ホント、どうしたらモチベーションを上げてくれるのか。自分では言葉を選んでコミュニケーションをとってるつもりなんですけど、あからさまに嫌な顔されるとこたえます。年上部下って、ストレス以外の何物でもないです」

 ここ数カ月、40代のリーダーたち向けの講演会やセミナーが立て続けにあったのだが、以前にも増して“こんな悩み”を訴える管理職が増えた。
 いわく「頭痛の種は、50代の役職定年者」だと。

上司は女性、しかも30代……

 学ぼうとしない、理解しようとしない、自分のことしか考えない、会話しようとしない、などなど、「ないない攻撃」にへきえきしているのだという。

 私も“年上部下”たちとは同年代。悩みを訴える“年下上司”たちに、「いやいや、おじさんおばさんたちも、実は内心〇〇なので、ほにゃららほにゃら~してみて」などとアドバイスする半面、彼・彼女ら(=年下上司)が心底困っている様子に、なんだか申し訳なくなった。

 なにせ、昨年の今頃は、「転職か独立か!」と尻に火がつき、これまでにないザワつきを50代の会社員たちから感じていたのに。新型コロナウイルス感染拡大の影響で「仕事以外の楽しみを見つけちゃたんで、給料もらえるうちは、ね……っ!」ということだろうか。

 同級生たちを見渡せば、「ふむ、確かに二分化してる」と感じることもしばしばだ。誰もがセカンドキャリア、サードキャリア、が気になっているはずなのに、「もう一踏ん張りするぜよ!派」と「ひたすら息を潜める派」に確実に割れている。

 もっとも役職定年を経験した人たちには、何人もインタビューしてきたので、「ないない攻撃」に出る気持ちが分からないわけではない。

 「さんざん競争させといて、突然、年齢で一斉に役職定年ですよ。どんなにがんばっても、びた一文も上がらないんだから」
 「2割減だって理解してたけど、給料の振込額を見てがくぜんとした。慌てて住宅ローン組み替えましたよ」
 「上司は女性。しかも、30代ですよ。私の30年間は何だったのか。釈然としない」
 「人生後半戦はいかにうまく下山するかだ! とかって、元上司が言ってたけど、悠々自適に定年していった団塊の世代がうらめしい。だって、下山する余裕もないんだもの。いきなりズトーンって感じですよ」

続きを読む 2/5 給与は減り、自由時間は増えた

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この記事はシリーズ「河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。