
大人たちの、大人たちによる、大人都合の「ひとつよろしく!」政策により、子供たちの生きる力が奪われている。
下のグラフにある通り、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化し、1回目の緊急事態宣言が発出された2020年(令和2年)4月以降、「児童生徒」の自殺者がこれまでに比べて突出して多くなっているのが分かるであろう(出所:文部科学省「令和2年 児童生徒の自殺者数に関する基礎資料集」)。
20年に自殺した小中高校生は479人で、前年より140人増。統計データのある1980年以降で最も多くの子供たちが「命を絶った」。内訳は小学生14人(前年6人)、中学生136人(同96人)、高校生329人(同237人)。特に高校生の女子は2019年の67人から倍以上の138人と急増した。
大切な「子供の社会活動」
「コロナのことを考えると寝ながら少し泣いてしまう」(小学低学年男児)
「死にたくなる」(小学高学年女児)
「コロナのことを考えたりニュースで見たりするとなんとなくイライラする」(中学女子)
「飲み屋さんとかで大人たちが騒いでいるのを見ると、私たちが普段学校とかでしている対策は何なんだろうなと思う」(中学女子)
「『子供がずっと家にいるのがストレス』って言うけど子供も同じだし、自分の存在を否定されるのはつらい」(中学女子)
「子供をバイ菌あつかいしないでほしい」(中学女子)
「大人はおさけをのみにいけるのに、こどもがあつまってあそぶのはダメなのはなんで?」(小学低学年男児)
「子供がかわいそうだから……とか大人はよく言うけど実際思ってないくせに……と思う」(小学高学年女児)
etc.etc.……
これらの辛辣な大人への苦言は、国立成育医療研究センターが20年6~7月に実施した「コロナストレス」に関する調査に寄せられた「子供たちの声」だ(参考コラム「『子供をばい菌扱いするな!』絶叫する子と正義ぶる大人の罪」)。
大人は簡単に、「外に出るな! しゃべるな! 集まるな!」と言うけれど、子供にとって、外に出ること、いろいろな人とおしゃべりをすること、子供たち同士で集まり、遊ぶことは、子供の生きる力を育む、極めて大切な「子供の社会活動」である。
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