もうかれこれ5年前のこと。ディサークルが主催する講演会に呼んでいただいたのだが、なぜかスタッフ全員がスーツにはっぴを羽織っていた。「なんで、情報システムの会社がはっぴ???」と、いつも通り、ど直球で社長さんに伺ったところ、「もともと石炭の会社なんですよ」と。それが三谷産業だった。

 金沢に本社を置く三谷産業にもお邪魔させていただいたけど、「長く続いている会社には“秘密”がある」という持論を肌でビンビン感じる、記憶に残る会社だった。

 で、今回。三谷産業のチャレンジを知り、ディサークルの西岡毅社長に連絡したところ、「現場のリアルな声」を伺うことができた。その“一会社員”としての声も、みなさんに紹介します。

安心して働き続けられる職場環境

 では、まずは2月2日の記者会見で発表された三谷産業(東証1部上場)が、4月から導入する「無期限の継続雇用制度」の内容から。

 対象は60歳の定年を迎えるか、60~65歳で継続雇用中の国内のグループ社員のうち希望者全員で、具体的には……

・従来通り60歳の定年時に退職金を出すのに加え、継続雇用を終える時点で2度目の退職金を支給。2度目の退職金は定年後の働きに対するもので、60歳の定年時の退職金と原資を分ける。

・一方、高齢社員が管理職ポストに長くとどまって組織が停滞するのを防ぐため、原則60歳での役職定年制を設け、後進に昇進の道を開く。

・60歳以上の社員も定年前と同様、半年ごとに目標を設定して人事考課を実施。60~65歳は評価を昇給と賞与に、65歳以降も賞与に反映。

・定年前に管理職だった社員の給与水準は、60歳の役職定年や65歳のタイミングで下がるが、非管理職の給与水準は60~65歳は定年前と大きく変わらず、65歳以降の下げ幅も管理職より小さい。

・専門知識を生かした技術指導や他の事業部への営業先の紹介など、追加で引き受けた仕事に対し、給与とは別に対価を支払う「出来高オプション制度」を設ける。

 記者会見で三谷忠照社長は、「超高齢社会の日本で、社員が高齢になっても安心して働き続けられる職場環境の整備、働きがいを感じられる活躍の場の提供が会社の持続的な成長にもつながると考えた」と話した。

 ちなみに今回の制度設計は、創業家が所有するガソリンスタンドの運営会社で17年に定年を廃止し、それが60歳以上の社員の活性化につながったことが反映されているそうだ。

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