
「コロナの影響が長引けば、やっぱりリストラを進めるしかないでしょうね。今後、大規模な希望退職の募集に踏み切る企業は確実に増える。うちも例外ではありません」
これは2020年にお会いした経営者の言葉だが、良きにつけあしきにつけ、40代以上の“会社員”は今後、会社を利用する働き方を考えた方がよさそうである。
利用する、なんて書き方をすると経営者の人たちに怒られそうだが、コロナ禍で一気に「会社員消滅時代」に突入したのだ。
となれば「〇〇会社の会社員である自分」を優先する働き方から、「真実の自分として生きる会社員」に変わった方が働く人にも会社にもメリットをもたらす。ウィンウィンという言葉はあまり好きではないが、あえていえば、目指すべきは「しなやかなウィンウィン」とでもいうのだろうか。
ん? 何を言ってるか分からないって?
いやいや、これから紹介する調査結果を見れば、納得していただけるはず。
というわけで今回は、「会社のホンネ」についてあれこれ考えてみる。
黒字リストラに加え赤字リストラも
と、その前に希望退職の募集に関する情報から。
東京商工リサーチによれば、上場企業のうち21年の「希望退職の募集」を明らかにしている企業は18社で、オリンパス(950人)やホンダ(人数未定)など、計約3300人に上るという(21年1月5日付読売新聞「早期・希望退職の募集、感染拡大で増えそう…上場企業すでに3300人」)。このうち9社が募集に至った要因として新型コロナによる影響を挙げ、今後はさらに構造改革を名目に人員削減が本格化する可能性があると見られている。
ちなみに20年に早期・希望退職を募集した上場企業は91社で、募集人数は計約1万8300人。19年の約1.6倍だった(20年12月23日時点、上記記事)。19年から増えていた「今のうちに切っちゃおう!」=黒字リストラに、「もうムリ!」=赤字リストラが加算されたのだ。
では、本題に戻る。
今回取り上げる調査のタイトルは「人生100年時代のキャリア形成と雇用管理の課題に関する調査」。
厚生労働省が今後の労働政策を的確に企画・立案していくための資料として、労働政策研究・研修機構に要請し、従業員規模30人以上の企業2万社を対象に実施したものだ。
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