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 もっとも、「会社のホンネ」なるものは、以前から誰もがうすうす、感じてきたことだ。それが今回の調査により数字で示され、限りなく黒に近かったグレーが真っ黒になった。

 今後、40代以上は確実に希望退職のターゲットになる。「俺は会社でそれなりのポジションだし、大丈夫だ」と思っている人も例外ではない。見たこともない景色になるであろうコロナ後に備えて、会社は「能力を発揮できそうな人」以外はご退出いただきたいと、これまで以上にあの手この手で魔の手を伸ばす。打てば響く若手を抜てきした方がコスト削減になるし、「使いやすい」若手の方が好まれる傾向はどうしたって覆らないだろう。

会社をうまく使えばいい

 が、その一方で会社も、労働力人口が減っていくことや、大人の10人に8人が40代以上という現実も痛いほど分かっている。だからこそ、「長期雇用」を前提としつつ、ボランティアなどの社会貢献への参加を人事制度に取り入れるなどの知恵を絞っていることが、今回の調査で明らかになった。

 さらに、4月からは「70歳までの雇用」が努力義務になる。すでに電通が個人事業主化を進めたように、新しいカタチで働く人と関係性を模索するであろう。

 要するに、働く人たちは会社をうまく使えばいい。なんだかんだいっても、会社はリソースの宝庫だ。「○○会社の河合薫」の方が、どこの馬の骨か分からない「河合薫」よりやりたいことがしやすいし、どんなカタチであれ会社に属していれば、「明日のご飯、どうしよう」となることは、まずない。

 以前、閑職に追いやられた50代の男性が、「会社に内緒でペンネームで書く仕事を始めた」と話してくれたことがあった。しかも、会社の裏側をバラすようなことを書くこともあった。
 「あの……それって……、ちょっとずるくないですか?」とためらいがちに私が聞いたところ、男性は笑いながら、こう断言した。

 「そうね。ずるいといえばずるいけど、会社のためにもなってるんですよ。会社員以外の顔を持つことができて、会社員の自分が笑顔になった。仕事も一生懸命やるようになったし、若い人たちの力になろうと動くようにもなりましたしね」