(写真:Shutterstock)

 2021年は「辛丑(かのとうし)」。「辛」は草木が枯れ、新しくなろうとしている状態で、「丑」は種から芽が出ようとする状態だそうだ。つまり、新型コロナウイルスで幕開けした「新しい世界」が、本格的に始まろうとしているということだろうか。

 2020年は急激な変化に対応するのがやっとだったが、2021年はこれまでの人生で「まいた種」のありかを探し、自分の生き方を「見つける」ことがテーマになる。

 そこで1年の始まりである元日の今日は、まいた種が自分らしく育つ生き方、働き方の「見つけ方」をあれこれつづろうと思います。少々気が早いお話だが、2021年の終わりに、「うん、がんばったね。人生、思い通りにはならないけど、捨てたもんじゃないね」と思えるように!

 というわけで、本年もよろしくお願いいたします!

 キーワードは「心理的ウェルビーイング」です。

年末に届いた「お歳暮」

 心理的ウェルビーイングとは、米国の心理学者であるキャロル・D・リフが提唱した概念で、「幸福感」とか「ハピネス」という言葉に置き換えられるウェルビーイングとは異なり、「危機や不安に遭遇したときにこそ高められる人間のポジティブな心理的機能」を指す。これは私の専門である健康社会学の中核をなす「健康生成論」に基づく理論の1つだ(詳細は後ほど)。

 では、早速、心理的ウェルビーイングがいかなるものか?をイメージしていただくために、昨年末にあった出来事からお聞きください。

 12月の中ごろ、「お歳暮」と書かれた小包が届いた。
 私はお歳暮をいただくことはめったにないので、「何かの間違いでは?」と送り主を見たところ、以前インタビューさせていただいた男性だった。

 「へ? なんで???」
 脳内は「???」だらけになった。

 なにせ数年前にお会いしてから会ってないし、男性は時折近況報告や情報提供をしてくださるので、むしろ私の方がお世話になっている。そこで、何度も宛名を確認するが、どこからどう読んでも「河合薫」とあるし、送り主の名前も「彼」であることは間違いなかった。

 小包を開ける前に連絡するか散々迷ったが、「要冷蔵」と書いてあるのでとりあえず開けることに。
 すると、なんと! それはそれはおいしそうな「めんたい数の子」が入っていたのである。

 「なぜ、私がめんたいこが大好きということを知っているんだ? まさか私が講演会などでいただくお土産を度々SNSにアップし、『またまたいただいちゃいました! ありがとうございます(ハートマーク)』などと喜んでいるのを見て、気を使わせてしまったのかも」と不安になり、脳内の猿やウサギと相談した結果、「とにかく300%喜んでいることを伝えよう!」とお礼メールを即行で出した。

続きを読む 2/5 「仕事は修行です」

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この記事はシリーズ「河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。