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 若い世代ほど、同じ年齢であっても非正規雇用者が多く(総務省「労働力調査」)、年収300万円未満層(推計)は、男性では20代で263万人(雇用者の54.6%、正規雇用者の45.2%、非正規雇用者の79.5%)、30代男性で135万人(同様に20.4%、14.5%、62.4%)、40代男性で88万人(同様に12.1%、7.5%、59.4%)。
 つまり、非正規だけではなく正社員でも、20代は半数弱、30代では15%近くが300万円未満しか収入がない(ニッセイ基礎研究所「若年層の経済格差と家族形成格差-増加する非正規雇用者、雇用形態が生む年収と既婚率の違い」)。

 「若者の負担を減らそう!」「若者は未来だ!」という美しい言葉とは裏腹に、若い世代を取り巻く環境は年々厳しさを増していたのだ。

自己責任にする大義名分に

 こういった社会のひずみを生んできたそもそもの原因と、今、起きている出来事に正面から向き合わなければ、問題はなかったことにされ、また繰り返される。

 そのときには「私」の問題になっているかもしれないということを伝えたくて書き続けてきたけど、その問題に関心すら持たないという“変化”を、2020年は感じずにはいられなかった。

 ついでに、せっかくなので6~10位も紹介しておこう。
6位:新型コロナがとどめ「人生最後の砦」介護現場は崩壊へ(129)
7位:「俺の時代は終わった」新型コロナで揺れる管理職たち(94)
8位:黒人差別問題から省みる日本人の「普通」地獄(209)
9位:新型コロナが引き出した大衆の深層心理の闇(214)
10位:「人に迷惑をかけるな」という呪いと自助社会の絶望感(287)

 「コロナってさ、自己責任にできる大義名分になってしまったんだよね」
 こう話すのはある経営者の方だ。

 「社員の雇用を維持したいという気持ちに嘘はないし、社員の能力を引き出そうとやってきた。
 でも、世の中にはどうやっても自分から動けない人がいるんですよ。コロナ前はね、そういう社員に頭を悩ませながらも、どうにかやりくりしてきました。
 それがコロナで経済が失速して、できなくなってしまったんです。会社を守るには、コストカットと投資の両輪が必要なんです。