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(写真:Shutterstock)

 連日「過去最多」という文字がSNS上に、テレビ画面に、新聞紙面に躍る中、コロナだらけだった一年が終わろうとしている。2020年元日の当コラムで「時代が動く。それが2020年ではないか、と。『2020は大きな節目』になる」と予想した通りの一年だった。

 もっとも、“予想”していたあの時には、新型コロナウイルスが発生して、それが世界中を巻き込むことになるだなんて考えもしなかったが。

日常生活が消えていった

 つくづく、半世紀以上も生きているといろんなことがあるなぁ、と。
 阪神大震災、オウム真理教による地下鉄サリン事件、米国同時多発テロ、東日本大震災が起き、「これ以上何かあるとすれば、富士山大噴火か、あるいは関東大震災か」と思っていたのに、まさかまさかのパンデミック。
 100年ごとにパンデミックが起きるとされているので、50年以上生きていれば一度は遭遇する出来事だったのかも、などと思ったりもする。

 しかし、コロナという目に見えないウイルスがもたらした変化は、生身の人間が耐えられる限界を超えるスピードだった。

 個人的にも厳しい1年だった。当たり前だった日常がことごとく消え、クロージングに少しずつ向かおうという願いは一掃された。自分が存在する意味すら分からなくなることもあった。「おかしいことをおかしいと言い続ける」ことを大切にしてきたのに、それがぶれそうになることも度々あった。
 ……これは、今まで経験したことのない事態で、自分でもかなり驚いた。

 光が見えては消えてを繰り返す日々に、文章をつづるという仕事を通じて自分が培ってきた感受性を失わないように、時に耳をふさぎ目を隠し、再び耳をかっぽじって目を凝らすことを繰り返した。

 そんな状況だったので、予期せぬ“サンクスメール”には何度も救われました。

 「やりがいの神様からは、まだ見捨てられていないんだ!」と、ギフトをくださった方たちに背中を押していただきました。この場を借りて心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

 というわけで、今回は2020年最後のコラム。例年通りこの一年にたくさん読まれたコラムとコメントを振り返りつつ、あれこれ考えます(集計は12月15日時点)。