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(写真:Shutterstock)

 今回は「努力と自己責任」について、あれこれ考えてみる。

 もうすでにかなり前の出来事のように感じてしまうが、「トランプかバイデンか? どっちに転んでも、結論が出るのは年明けになるぞ!」と米国大統領選挙に関する報道で、メディアが盛り上がっていた最中、少子化対策を担当する坂本哲志内閣府特命担当大臣(一億総活躍担当)の発言が物議を醸していた。

 坂本大臣は、閣議後の記者会見で、現在、中学生までの子供がいる世帯に支給されている「児童手当」のうち、所得が高い世帯にも特例的に月5000円を支給している「特例給付」について、廃止も含めて検討していることを明らかにしたのである。

「900億円を待機児童解消に充てる」というが……

 さらに、支給額の算定基準が「世帯で最も稼ぎが多い人の収入をベースにする方式」から、「世帯全体の収入を合算する方式」に変更することも検討しているという。

 これらの2つの案が実際に変更されると、約900億円のお金が浮くため、それを菅義偉首相が掲げる待機児童の解消策に充てるのが目的ということだった。

 だがこの「児童手当廃止&世帯収入合算」にはSNSで批判が殺到し、ヤフコメやTwitterは荒れに荒れた。そこで「まだ検討に入ったというだけで、決まったことではない」と火消しに走ってるらしいのだが……。

 いやぁ、マジすごかったです。コメントの中にはかなり的を射たものも多かったし、実際に子育てをしている人が、いかに子育てに金がかかるかをつまびらかに書いているコメントもあり、大いに学ばせていただいた。

 興味ある方はググってみていただくとして、おおまかに批判を分けると3つのパターンがあった。
 1つ目は、「削るところはそこじゃないだろ!」「寝てるだけの政治家とか派手な葬儀とか、いらないものもっとあるだろう!」「裁判している議員の給料出すのやめろ!」「もっと先に廃止することたくさんあるでしょうが」といった“そこじゃないだろ!”批判。

 2つ目が、「なんで子供のための資金を、子供支援費から賄おうとするんだ!」「マジで少子化対策やるつもりあんのか?」「子育てに金がかかりすぎるんだよ!」などの“子育て環境”批判。

 そして、3つ目が「世帯収入合算」への反発だった。

 日本は「子供にかける予算」が先進国の中で圧倒的に少なく、親の収入に依存する「家族依存」的な社会経済構造になっているので、基準変更は死活問題となる。