出口:僕は定年も無くしました。でも性別が書いてあったら、男のほうがいいと思うかもしれないですよね。だからこういうバイアスをすべて無くして、性別、年齢フリーで人を採用しようというヒューマンな採用方法にしないといけない。グーグルの業績が伸びているのは、ヒューマンな経営を徹底しているからです。

 ですから非正規雇用に女性が多いというのが問題なのは分かっているわけで、どうすればこれを直せるかということを考えると、やはりこの性差別の意識が、問題の根源だという認識を広めることですよね。

「非正規問題」解決のカギは適用拡大

河合:その一方、コロナ禍で注目されたエッセンシャルワーカーの人たちは、男性も女性も含めてほとんどが非正規です。コロナ禍で真っ先に非正規が雇い止めに遭ったことを考えると、性差別による問題だけではなく、やはり都合よく低賃金で使われている、非正規雇用のあり方をきちんと議論する必要があるのではないでしょうか。

 例えば、この10年で労働力は爆発的に増えました。1つは働く女性が増えたこと、それと人生100年時代になり定年後も、シニアの人たちが働ける場が増えたことです。しかし、新しい労働力の多くは、非正規です。若者の非正規率も高くなっています。こういった流れから考えますと、企業が雇用する仕組みとしての非正規という形が変わらない限り問題は解決しないんじゃないかと。ウィズコロナで働き方が変わり、改善されるのは正社員の性差別であって、性差別としての非正規問題は残ってしまうのではないでしょうか。

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この記事はシリーズ「河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。