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 ではここで、組合に提案したとされるANAのコスト削減策を整理しておく。

  • 約1万5000人いる従業員の給与の引き下げ
  • 冬季一時金はゼロ(冬季は例年月例賃金の2カ月分)、年収は約3割減に
  • 1992年から設けている希望退職制度の退職金を増やし、新たに募集(詳細は労組と交渉するがパイロットは対象外)
  • 4月から減額している役員報酬のカット幅を11月から拡大
  • キャリアアップに向けた活動に使う無給の休業制度を最大2年設ける
  • 4月から実施している従業員の一時帰休は継続

 また、すでに7月に「発表」されている通り、2021年度入社の採用活動は中止となるが(すでに内定を出した学生への変更はなし)、運航乗務職及び障がい者を対象とした採用活動は継続する。

 ……ふむ。なかなか厳しい内容である。

帰れる場所があるという「安心感」

 ただ、「キャリアアップに向けた活動に使う無給の休業制度を最大2年設ける」というのはとてもいい。私がインタビューして感じた限り、この半年間で働く人たちの「キャリアアップ熱」はかつてないほどに高まっているし、社会の“変化”を敏感に感じる現場に近い人たちほど、「新たな自分の人生」を見つけたいとあがいている。