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 実際、これまでもハローワークの職員が「雇い止め」にあうという、嘘のようなホントが度々報じられてきた。2014年には東京新聞が、ハローワークに6年もの間、就労支援員として働いていた男性が雇い止めにあった問題を、「職安なのに『職不安定』?」という見出しで報じ、今年の初めには、ハローワークの非正規公務員2人が、「雇い止め」が横行しているとして雇用環境の改善をSNS上で呼びかけ、2万人超の署名が集まり話題となった。

 前述したとおり、地方公務員法や地方自治法が制定された時点では、非正規公務員はいなかった。さらに、非正規公務員には、パートタイム労働法(均衡待遇等)や労働契約法(雇止め法理等)は適用されない。
 つまり、これだけ非正規公務員が増えているのに、彼らを守るものがない。民間の企業なら、わずかながら「正社員」への道があるけど非正規公務員には、その道もない。

同一業務なのに低賃金の非正規公務員

 おまけに、非正規公務員と常勤公務員とで仕事の差はなく、基幹化している非正規公務員の仕事の責任は極めて高い上に、専門的な知識が求められる。にもかかわらず、常勤の公務員との賃金格差はかなり大きい。

 何度も書くが、非正規公務員の多くは正規の公務員と仕事内容はほとんど同じなのに、賃金は2分の1から3分の1程度と「なんでやねん!」というほど低くなっているのだ。

 常勤の地方公務員の場合、平均給与(給料と手当)は月額41万1270円で、年2回支給される一時金は合計で平均162万4517円。これらを合算すると年収は665万9757円となる。
 一方、非正規公務員の年収は200万円程度。最も高額に算出される市町村の特別職非常勤職員の事務補助職員でも約212万円だ(前出「非正規公務員の現在 深化する格差」)。

 また、2016年に総務省が実施した調査では、非正規公務員の報酬水準は時給換算で平均845円だったことが分かっている。1日8時間、月20日、12カ月を休みなく働いても、年収で約162万円にしかならないという計算になる。

 これほどの低賃金で雇われた「官製ワーキングプア」=非正規公務員たちが、私たちの生活に極めて必要な福祉サービスを支えている。 自分も不安定なのに、「相談員」として、私たちに「傘」を貸してくれているのだ。