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 なんとも“行政っぽい”解釈ではあるが、2017年3月3日に西日本新聞に、「非正規職員に残業代支給へ 新年度から福岡市方針 対象2700人 同一労働同一賃金 各自治体でも急務に」という見出しで大きく報じられたことからも、いかに反対解釈が一般的だったかが分かるであろう。
 記事によれば、2017年度の当初予算案に、各部局の人件費を計約1030万円上積みする形で残業代相当分を計上したという。

 要するに、制度が実態に追いついていない。自治法が制定されたときには、今のように非正規公務員が基幹職化していなかったので、悲しいかな非正規公務員は「法律の谷間に落ちた存在」になってしまったのだ。

 冒頭で、「3人に1人が非正規公務員」と書いたが、以下のグラフを見ればその急増ぶりが分かるだろう(「非正規公務員酷書」全国労働組合総連合(全労連)公務部会)。

地方公務員における非正規職員数の推移(出所/「非正規公務員酷書 」全労連公務部会)

求職者をサポートする「不安定な身分の職員」

 05年には全国で45.5万人だったが、16年には64.3万人と11年間で18.7万人、41.1%も増加している。非正規公務員が全職員に占める平均比率も33.1%で、08年の27.4%から拡大し、3人に1人が非正規公務員だ。

 職種別に見ると、最も人数が多いのは一般事務職員で16万人、次が消費生活相談員や女性相談員などの各種の相談員で12万人、保育士も10万人。2005年からの11年間で最も人数が増えたのは教員・講師で、倍増している。

 また、国家公務員でも非正規化が進んでいて、正規職員26.5万人余に対して非常勤職員は7.8万人余(2017年)。非正規率は22.7%で、省庁別に見ると厚生労働省が圧倒的に多くて3.4万人、52.6%と半数以上が非正規公務員だ。

 これはハローワークの相談員が非常勤化されているためで、2014年の時点でも、相談員5人のうち3人が非正規公務員で占められていた。

 つまり、「仕事を失った人」を、不安定な身分の職員=非正規公務員がサポートするという、やりきれない現実が存在しているのだ。