一般に自己愛の強い人ほどシャーデンフロイデが強く、その不幸がさほど深刻ではない場合に沸き立ち、逆に、深刻さが増すと消されていくことが多いとされている。
「寝ながら泣いてしまう」という子供たち
……いずれにせよ、人間の究極の愚かさが正義と快感につながっているとは、実に恐ろしいことだ。
誹謗中傷と「社会的地位や自己アイデンティティー」を主張したい欲望が、背中合わせという不都合な事実に決して踊らされないよう、「私」たちは常に胸に手を当てて自分の言動を考えてみる必要がありそうである。
というわけで、かなり前置きが長くなった。今回はその「人間の愚かさの末路」について、書こうと思う。
先週、国立成育医療研究センターが2020年6~7月に実施した「コロナストレス」に関する調査結果を公表した。
この調査では、子供たちのコロナ禍におけるいじめやスティグマ(否定的ならくいん)に着目して質問を構成。全国の子供(7~17歳)と保護者、合わせて6772人が回答している。
その結果、なんと「子供の72%」に、何らかのストレス反応が認められたというのだ。
子供たちの気持ちを自由に書いてもらったところ、
- コロナのことを考えると寝ながら少し泣いてしまう(小学低学年男児)
- 死にたくなる(小学高学年女児)
- コロナのことを考えたりニュースで見たりするとなんとなくイライラする(中学女児)
など、かなり深刻な状態に追い詰められている子供がいることが分かった。
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