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(写真:Shutterstock)

 「(就職)氷河期世代なので、またかって感じです。バブル崩壊で採用が減らされ、今度は新型コロナウイルスで人員整理。じわじわと魔の手が伸びて来てる気がするんです・・・。この先どうなるんでしょうか?」

 こう嘆くのは、大手企業に勤める40代後半の課長職の男性である。

 実はここ数日、珍しく仕事で人と会うことが多かったのだが(Zoomが9割)、ほかの人たちからも、「この先どうなってしまうんですかね?」「日本は変わるんですかね?」「在宅勤務とかなくなって、結局、元どおりになってるんですけど、どうなるんでしょうか?」といった質問を、繰り返し受けた。

 つい2カ月ほど前には、

 「これから失業者増えるぞー」
 「これから倒産多くなるなぁ」
 「リーマンのときより深刻になるよ」
 と、他人事だった憂いが、事業計画が全て見直しになり、新規採用がなくなり、部署の統合やら支店の廃止やらが相次ぎ、
 「うちの会社もやばい」
 という状況になってしまったのだという。

山中教授が「1年後」を見通していた理由

 思い起こせば、新型コロナウイルス感染拡大が始まった3月。山中伸弥教授(京都大学iPS細胞研究所所長)は自身でコロナ関連のホームページを開設し、「新型コロナウイルスとの闘いは、短距離走ではなく、1年は続く可能性のある長いマラソン」と警告した。おそらくあのときは多くの人たちが、「秋ごろにはまぁ、なんとかなるのではないかね」と考えていたのではないか。

 だいたい当時はまだ、「オリンピックをやる!つもり」で日本は動いていたのだから、どんなに「1年」と言われたところで、リアリティーが持てるわけがなかった。

 だが、今になって分かる。「1年」と警告した山中教授の真意と、批判覚悟で情報発信を始めることに、どれだけの覚悟が必要だったろうか、と。

 そして、今、コロナ感染拡大が本格化した3月からまだ半年もたってないのに、状況は混迷の一途をたどっている。ついこのあいだまで見えていた出口が遠のき、「ま、厳しいけどなんとかなるんじゃね?」といった空気が日に日に薄れ、ひたすら「不安」という二文字が重くのしかかる。

 不安。そう、不安。みんな不安で不安でたまらないのだ。

 というわけで、今回は「不安と今後」についてあれこれ考えてみようと思う。