一方、東京都は11日の21時に、新型コロナウイルスの感染者の報告漏れと重複計上による集計ミスを修正した日ごとの内訳を公表した。3月22日~5月6日の間で感染者数の増減が生じ、全体で76人増えたという。

 東京都で集計ミスが起きた背景には、保健所の管轄が関係しているという。「地域保健法」では保健所は23区、政令市、中核都市はそれぞれ独立して運営する(=国の管轄)とされているため、東京都が独自に運営しているのは、都内31の保健所のうち6カ所。東京都が各保健所から情報収集はしていたけど、組織が縦割りになっていることで度々保健所のデータが東京都にうまく伝わらないことがあったという。

 つまり、厚労省問題と東京都の問題は似て非なるもの。全く別の原因によるものなのだ。

 最新の東京都の数字をWebサイトで確認してみると(5月14日現在)、「陽性患者数は4997人、死亡者数は203人(累計)」とある。

 もし、東京の8日時点の死亡者数が19人から171人に修正されて、14日現在が203人だと、かなり奇妙なことになる。一方、「19人から171人問題」が誤報だったという報道もないし、仮に事実を隠しているのだとしたらもっと大問題になっているはずだがそれもない。

正確な数字を把握できない本当の原因は?

 厚労省は感染状況などを「新型コロナウイルス感染症の現在の状況と厚生労働省の対応について」で日々発表しているが、5月8日前後の死亡者数を確認しても一気に100人単位で増えた事実は確認できなかった。

 結局、どういうことなのか。いまだに私の脳内は「????」だらけなのだが、厚労省が把握していた「感染者数」は大きく違ったが、「死亡者の総数」に変わりはなかったということなのだろう。東京都のWebサイトでは「8日時点での死亡者数(累計)は171人」がすでに公表されていた。だが、以前の集計方法で厚労省が把握していたのは「19人」だった。で、「新しい集計方法=東京都のWebサイトで集計」し「171人」に書き換えはしたけど、かといって死亡者総数が変わるわけではない、と。あくまでも推測だが。

 いずれにせよ、よくよく考えてみると、問題の本質は「『症状有無確認中』の感染者が5000人を超えるなど正確な実態を公表できなくなっていた」(先の日経新聞記事)ことにある。

 ……ふむ。

 数字とは恐ろしいものだ。「19人から171人」という数字に引っ張られて、問題の本質を見落とすところだった。

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