ご承知のとおり、安倍晋三首相は4月7日に発出された緊急事態宣言の記者会見で、「GDPの2割に当たる事業規模108兆円、世界的にも最大級の経済対策を実施することにしました」と胸を張った。

 30分超にわたるスピーチの中で「そっか。この言葉をどうしても言いたかったのね」と確信するほど、ドヤ顔で「世界最大級」を誇張した。

 が、経済に詳しい人たちによれば、108兆円のうちいわゆる“真水”はごく一部だという。

 お恥ずかしい話であるけど、“真水”という言葉は初めて知ったので、あれやこれやと読みあさるも門外漢の私には、いまひとつ“真水”の意味が分からない。頭ではなんとなく分かるが、“108兆円の裏事情”の真意をのみ込むことができなかった。

 そこで元財務省の知り合いにコンタクトしたところ……、

 「張りぼてだよ。見かけは立派だけど実質を伴ってない。つまりね、108兆円のうち半分近くが企業への融資で、あとから戻ってくるの。諸外国の支援策とは全く異なるのに、最大級とかよく言うよ。支給のスピードも遅い。労働者を保護しようとか支援しようという気もなければ、責任も取りたくない。官僚が考えそうなことだ」(元財務官僚)

実効性に疑問を感じる経済支援策

 なるほど。張りぼてね。「募っているけど、募集はしてません」のようなもの? あるいは「フリーランスに有給を!」みたいな? 

 いずれにせよ、「今後、事態が変わってきたときに追加の支援策は検討するのか?」という記者の質問には何一つ答えず、今決まっていることを繰り返すだけだったし、「現金支給30万円が一律給付じゃないのは、なぜか?」という質問の答えを聞いたときにはめまいがした。

 「我々議員や公務員は、この状況でも全然影響を受けていない。収入には影響を受けていないわけであります。そこに果たして5万円とか10万円の給付をすることはどうなんだという点も考えなくてはならない」(安倍首相)

 え? そこ? そこが基準になっているのか?

 ならば、政治家と公務員を除いた人に支給すればいい。っていうか、私たちの血税ってことを分かっているのだろうか。

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