3月10日のコラムで(「新型コロナが引き出した大衆の深層心理の闇」)、リスクコミュニケーションについて書いたが、今後はさらに密なコミュニケーションが重要になる(その一部を以下に、再掲する)。

 「リスクコミュニケーションでは、二次発信となるメディアの役割も極めて大きい。にわか専門家や、コメンテーターなどが、国民の不安をかき立てるようなことがないように、一次情報発信者(専門家チーム)と密接に連携する」

 緊急事態宣言発令を目前にひかえた「今」、リスクコミュニケーションではメッセージ゙の主な受け手である「私たち」の役割も大切なので、改めて共有しておくべき基礎知識を振り返りまとめておく。

 2月25日、政府は「新型コロナウイルス感染症対策本部会議」を開催し、「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を決定。その中で「(新型コロナウイルス)感染の流行を早期に終息させるためには、クラスター(集団)が次のクラスター(集団)を生み出すことを防止することが極めて重要である」という認識が示され、厚労省が設置したのが「クラスター対策班」だ。

 こちらの「報道発表資料」にその旨が書かれ、添付の別紙を見れば分かるとおり、専門家チームの核が「ク ラスター対策班」だ。しかしながら、厚労省も国もその存在をきちんと「私たち」 に伝えることはなかった

クラスター対策班の活動を知る意義

 私自身、3月22日のNHKスペシャル「“パンデミック”との闘い~感染拡大は封じ込められるか~」を見て、初めて知ったのだ。

 「クラスター」という言葉だけは日々報道されていたけど、番組を見て厚労省のクラスター班の方たちがやっていること、なぜクラスター分析なのか?といった、つまり「今、日本が何を根拠に検査やら対策を講じているのか」が明確になり、腑に落ちた。

 画面に映し出されるクラスター対策班の方たちの“汗”に、国の中枢で不眠不休で耐えている「現場の名もなき英雄」たちの踏ん張りにとても感謝したし、コロナ対策への批判にいたずらに流されなくなったし、何よりも自分のやるべきこと、やらなきゃいけないことが少しだけクリアになった。

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