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(写真:Shutterstock)

 あれやこれやの新型コロナウイルス感染拡大防止策ばかりが注目されている陰で、第2の“身の丈事件”(荻生田光一文部科学相が大学入学共通テスト導入予定だった英語民間検定試験に関して「自分の身の丈に合わせて、頑張ってもらえれば」と発言した事件)になりそうな事態が進行している。

 2020年度の高校3年生から対象となる大学入試改革の最後の目玉である、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」の評価方法を巡り、またもやすったもんだありそうな気配が漂っているのだ(以下、日経新聞から抜粋し要約)。

 萩生田光一文部科学相は21日の閣議後記者会見で、2020年度の大学入試改革で各大学に求めている受験生の主体的に学ぶ態度の評価について、方法を見直す考えを示した。

 これまで文科省は「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」の評価については、高校教員が受験生の成績や部活動、ボランティア活動などを記入する調査書を拡充する予定で、2022年度には電子化を計画。各大学にオンラインで提出できるシステムも委託事業として開発した(ジャパン eポートフォリオ)。

 ところが、高校現場からは教員の負担増や、留学経験などがより評価されることで家庭の経済状況の差が入試に影響してしまうとの指摘が出てきた。そこで有識者会議を設置し、3月から議論を始めるという。

大学共通テストが大きく変わろうとしている

 おそらく英語の民間試験や、記述式テストについては知っていても、「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」が一般入試=大学入学共通テストに導入されることは知らなかった、という人は多いはずだ。

 というか、調査書を拡充、電子化、オンラインで提出できるシステム、eポートフォリオ、という言葉の羅列に「???」となっているかもしれない。なので、これまでのと~ってもややこしい経緯を、できるだけサクッと説明する。

 そもそも、すったもんだ続きの一連の入試改革の方向性は、2014年12月に発表された、中央教育審議会の「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について」というタイトルの答申書に沿う形で進んできた。

 答申書によれば、「これからの時代に社会に出て、国の内外で仕事をし、人生を築いていく、今の子供たちやこれから生まれてくる子供たちが、十分な知識と技能を身に付け、十分な思考力・判断力・表現力を磨き、主体性を持って多様な人々と協働することを通して、喜びと糧を得ていくことができるようにする」教育改革が近々の課題であり、「現行の大学入試センター試験を廃止」する理由を次のようにしている。

 “大学入試センター試験は「知識・技能」を問う問題が中心となっており、これからの大学入学者選抜において評価すべき「確かな学力」の在り方や、「知識・技能」 を単独で評価するのではなく、「知識・技能」と「思考力・判断力・表現力」を総合的に評価するものにしていくことが必要である。”