そもそも分断の壁はいったん立ちはだかると壊すのが極めて困難だ。

 壁のこちら側とあちら側には社会経済的格差もあるため、「あちら側」の人間が「こちら側」に来られないような制度やらルールやらを社会的立場の高い人たちがつくる。そうなれば、まさに“上級国民”の誕生である。

 できることなら、せめてコラムのコメント欄は、自分とは違う意見や立場の人に共感せずとも、理解を進めるような場であってほしいと思う。自分は絶対的に正しいと妄信するのではなく、「へ? そうなんだ?」とひと息つくくらいのゆるさが欲しい。「おかしいことはおかしい」と意見しながらも、互いをリスペクトできる関係のあるコメントが増えることを心から願います。

 では、最後に「読まれたコラムトップ5」について感想を述べる。

 定年ものがトップ5中2本。トップ10まで広げる(以下掲載)、5本も入っていたのは今年の特徴である。

  •  6位:元“エリート”でも2000万円投資できない定年後の憂鬱
  •  7位:同期の上司から受けたいじめと、無言で抗う役職定年社員
  •  8位:正社員「逆ギレ」も、非正規の待遇格差
  •  9位:中間管理職がヤバい!死亡率急増と身代わり残業
  •  10位:他人ごとではない老後破綻、60過ぎたら最低賃金に

 平均寿命が延びてしまったことで、今までの働き方、定年のあり方、生き方が通用しない世の中になった。団塊の世代は逃げ切ったけど、逃げ切れない世代にとって、50代からの生き方は切実な問題である。

 そして、おそらくこの問題は来年も続いていく。

 そして、そして、これらに書かれているコメントは、多くが当事者のもので、私もたくさん学ばせていただきました。

 なかなか思い通りに書けなかったり、伝わらず、自己嫌悪したり、落ち込んだりしましたが、勇気づけてくださるメッセージを何度もいただきました。この場を借りて改めてお礼申し上げます。

 ありがとうございました。&また、元日に! 

『他人の足を引っぱる男たち』(日本経済新聞出版社)


権力者による不祥事、職場にあふれるメンタル問題、 日本男性の孤独――すべては「会社員という病」が 原因だった? “ジジイの壁”第2弾。
・なぜ、優秀な若者が組織で活躍できないのか?
・なぜ、他国に比べて生産性が上がらないのか?
・なぜ、心根のゲスな権力者が多いのか?
そこに潜むのは、会社員の組織への過剰適応だった。 “ジジイ化”の元凶「会社員という病」をひもとく。

この記事はシリーズ「河合薫の新・社会の輪 上司と部下の力学」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。