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 ……なんとも。ラブホだのストッキングだの、どんだけアホな輩(やから)なんだ。
あきれてものが言えない。が、実はこの会見のあとTwitter上に、次のような趣旨の投稿がされ議論が巻き起こった。

 「就活セクハラの、彼氏いるの?」という質問は、出産や子育てで休みを取られることが会社に不都合なので、向こう5年くらい安定して働ける人材が欲しいからあらかじめ聞いたと考えられる。

 ふむ。なるほど。投稿に寄せられたコメントの中には“翻訳”に共感する声も少なくなかったが、どんな真意があろうとも採用面接で「彼氏いるの?」は完全にアウト。だいたい「産休や育休に対応できない企業」って、どんだけブラックなんだ?

 私は正直なところ、今の学生たちの「内定ですべてが決まる」とばかりに就活に躍起になる風潮には、ある種の危うさと違和感を抱いている。だが、学生たちをそうさせているのはオトナだし、就活生だからといってハラスメントが許されていいわけがない。どんなに小さなことであれ、学生たちの心情を思えば未来に大きな禍根を残すことになる。

 であるからして、厚労省は「望ましい」などと責任放棄するのをやめて、速やかに修正作業に取りかかって欲しい。学生が気軽に相談できる窓口を設け、就活セクハラがあった企業名を、ぜひとも公表してほしい。

 企業は「就活生を弱者」と見下す傲慢で、幼稚な輩が後を絶たないことを、もっと真剣に受け止め、危機感を持って対応してほしい。

男子学生への就活セクハラも横行

 そして、もう一つ。今回置き去りにされている問題に、厚労省も企業も大学も、そしてメディアもスポットを当ててほしい。

 それは「男子学生への就活ハラスメント」だ。

 内定が決まった学生が、人事担当者との飲み会で「女性との性交経験の有無を聞かれた」と嘆いたことがあった。その飲み会には女の人事担当者もいて、顔を真っ赤にした学生をイジりまくったそうだ。その学生は結局、他の企業に内定をもらったのでそちらに就職したけど、彼のように嫌な経験をする学生は少なくない。いや、むしろ多いと言ったほうがいいかもしれない。

 連合が行った「仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査 2019」によれば、就職活動中にセクシュアル・ハラスメント(以下、就活セクハラ)を「受けたことがある」人は10.5%、「受けたことはない」は 89.5%。

 男女・世代別にみると、20代男性(21.1%)が最も高く、20代の女性(12.5%)を10ポイント近く上回った。なんと男子学生の5人に1人が、就活セクハラを経験していたのだ。

 さらに、就活セクハラの内容を尋ねたところ(複数回答)、20代女性で最も多かったのが「性的な冗談やからかい(38.5%)」、次いで「食事やデートへの執拗な誘い(30.8%)」だったのに対し、20代男性では「性体験などの質問」が43.5%が最も多かった。「個人的な性的体験談を聞かせる」が30.4%で、女性にはあまりしないセクハラが男子学生に対し横行していたのである。