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(写真:Shutterstock)

 いじめ、モラハラ、パワハラ……、まっとうな“オトナ”の言動とは思えない事件が続いている。

 神戸市立小学校で教諭4人が同僚をいじめていた問題では、やっと、本当にやっと警察が動き始めた。

 発覚当初から「いじめじゃなく、暴行・虐待と表現すべきだ!」というメディアの報じ方に疑念を抱いていたが、18日に兵庫県警が暴行容疑などでの立件の可否を検討するため加害教諭への任意の事情聴取を始めたそうだ。

 また、プロフィギュアスケーターの織田信成さんが、関西大アイススケート部監督を辞任したのは同部コーチの浜田美栄さんからモラハラを受けていたことが原因だとして、慰謝料など1100万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。

 訴状によれば、織田さんが監督に就任する前から無視されるなどのモラハラを受け、就任後も部員の練習時間を巡り陰口などが激化。それが影響し、織田さんは体調を崩して入院したそうだ。その後も体調が回復せず、9月に退任せざるを得ない状況に追い込まれたという。

 織田さんは記者会見で、「リンクの内外で恐怖心を感じた」と涙ながらに胸中を吐露したが、関大側は提訴の内容を把握していないとして「コメントは差し控える」としている。

 さらに、先週の水曜日(20日)。新聞の1面に「パワハラで自殺 労災認定」という見出しで、若い青年の痛ましい死が報じられた。

自殺につながる痛ましい事例も

 トヨタ自動車の男性社員(当時28歳)が2017年に自殺したのは、上司のパワーハラスメントにより適応障害を発症したのが原因だとして、豊田労働基準監督署(愛知県豊田市)が労災認定していたという。

 男性は東大大学院を修了後、15年4月に入社。研修後の16年3月、本社内の部署に配属されたところ、直属の上司からパワハラを受けるようになった。

 「バカ」「アホ」と日常的に叱責され、「こんな説明ができないなら死んだ方がいい」と言われるなどし、男性は同年7月から休職。適応障害と診断された。

 男性は3カ月後の10月に復職した際、別のグループに配属となった。ところが、席は元上司と斜め向かいだったそうだ。男性はプレッシャーがかかると手が震えたり、単純なミスを繰り返したりして、17年7月頃から「死にたい」と周囲に漏らすようになり、同年10月に社員寮で命を絶ったという。

 男性の両親は「一生懸命に育てた子供がこのようなことになり、まだ受け入れられない。この労災認定を契機に、トヨタは職場環境の改善に努めてほしい」とのコメントを出している。今後は、トヨタ側に損害賠償を求める方針だという。