
ワールドカップ ラグビー日本代表はカッコよかった。鍛え抜かれた強靭(きょうじん)な肉体と自分たちを信じる力。本当にカッコよかった。「どこの国籍だかわからないヤツらばかりで、応援する気がしない」「見た目がね…」とディスっていた人も、きっと感動したはず(参考 「世界最低レベルの外国人受け入れ寛容度、ニッポンの末路」)。
しょっぱなから個人的な話になってしまうけど、父がラグビーを大学時代にやっていたので子供のときからゲーム観戦に連れていかれたり、私の母校が花園にも出場するラグビーの強豪校だったたりしたのでワールドカップは最初から見る気満々だったけど、ここまでのめり込むとは……自分でも驚いている。
録画したゲームを繰り返し見ても飽きないし、スコットランド戦の後半20分を見るたびに勇気がでる。よし、頑張ろう! まだまだできる!とやる気スイッチが押されるのだ。
いかなるスポーツの祭典も私たちに感動と勇気をくれるものだが、なぜ、ここまで日本代表に魅了されてしまうのか?
ラグビー日本代表に理想の信頼関係を見た
私は「ONE TEAM」「信頼」という、私たちの内部に組み込まれた人類の原点を彼らが具体的に見せてくれたからだと考えている。
メンバーが一丸となり、それぞれのメンバーすべてがMAXの力を発揮して活躍し、互いに信頼し合っているのを肌で感じ、たとえスーパースターになれなくとも、自分もあんな風にMAXの力を発揮したい。皆、ああいうチームのメンバーになりたい。そう願ったのではあるまいか。
状況が厳しければ厳しいほど、誰もが自分ができることを探し、互いが依存しあいながらも、それぞれが自立して動く。少々大げさな解釈になってしまうけど、そういった人類の歴史は私たちの深部に刷り込まれていて、日本代表の勇姿が「その部分」を刺激したのだ。
昨今の競争社会では「個の確立」だの「自立」だのという言葉ばかりが飛び交うけれど、人類は他者と協働することで生き残ってきた。社会的人間である人間にとって、唯一無二の「個」などファンタジー。「個」と「依存」を対極に取って捉えるのではなく、共存させることで真のチームは成立する。
会社=COMPANY(カンパニー)はそのために存在し、個と個のつながりを育むのが、会社での“時間”であり“空間”である。
“The whole is greater than the sum of its parts.(直訳:全体は部分の総和に勝る)”というアリストテレスの名言は、まさに人間の本質なのだ。
というわけで今回は「チームと信頼」についてあれこれ考えてみようと思う。
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