ニッポン人が外国人に向ける「まなざし」の根深さは総合ランキングで最下位グループに入ったほかの国と比べると、より具体的になる。

 33位のブラジルは、「生活のなじみやすさ」は10位、「コミュニティの許容性」25位、「友だちづくり」15位。31位のインドネシアは、「友だちづくり」「生活のなじみやすさ」は30位だが、「コミュニティの許容性」は4位と極めて高い。

 どちらも「国」という枠で捉えると難しい面があるけど、自分の半径3メートル以内は「案外暮らしやすい」。日本とは対照的。

 もし、この結果を見て「何も感じない。ニッポン人の何が悪いわけ?」とマジで思う方は……、申し訳ないけどかなり深刻な状態にあると考えていい。

 冒頭で書いた通り、私はまさにこの「深刻な状態にある」とおぼしき状況に、立て続けに遭遇したのだ。

外国人とともに暮らす社会が想像できない貧しさ

 1回目は9月28日の土曜日。ラグビーワールドカップで日本がアイルランドと対戦していたときの出来事である。前半の試合をテレビ観戦したあと、私は前日に予約していた室内ゴルフ練習場に行った。すると受付の人がテレビの前に張り付いていたので、「なんかすごかったですね! 後半戦も頑張ってほしいですよね~!」などと、にわかファン同士(私と受付の人)で盛り上がっていた。

 すると、隣に座っていた50代くらいの男性が、日本代表チームに対して「どこの国籍だかわからないヤツらばっかで、応援する気がしないよね」と言い放った。

 それに対し、受付の人が「でも、日本文化をいろいろ学んだりしてるってNHKでやってましたよ。日本人よりも日本人かもしれないですよ」と軽く返したところ、件の男性は「見た目がね…」と一言。

 「おい!! 見た目が何??!! おい、おっさん!!!」と私の脳内ライオンが大暴れだった。

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